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脱出計画 1

少年は外とは一切接触したことがない。  食事や必要なものを運びこむ奴らはマザーは犯すけど、少年達には近づきもしない。  奴らはセキュリティーでもある。  おそらく少年達と関わることは禁じられている。 少年達に触れたなら彼らは恐らく残酷に殺される。 少年達は大変高価な商品だからた。 組織はそれを許さない。  彼らが数年に一回入れ替わるのも、少年達やマザーと必要以上に親しくなることを避けるためだ。    マザーに関してはもう、親しくなりすぎてしまっているけれど。  検査や必要な時にくる医者、  そして、時折くる教師達。  彼らは必要以外は話さない。   運動場からは空しか見えない。   ここがどこにあるのかも分からない。  どこの国にあるのかさえ。  高い塀に囲まれている。  ただ塀の外から車の音などは聞こえないから、どこか人気のない場所なのだろう  道具も無しでは、この高い塀はこせない。  やはり、セキュリティーの奴らが入ってくる、あのたった一つしかない門から出て行くしかないだろう。  入るのも出るのもカメラで監視されている。  おそらく門の外では身体検査もあるのではないだろうか。   ときおり少年達がそうされるように。  室内を抜き打ちで調べられること当たり前にあり、少年達と同じように暮らしていたマザーは、少年達が何をどこに隠すのかを良く知っていた。  隠すのは大抵は他愛のないものだ。  ラブレター。  ずっと一緒にいれば、少年や彼のように番のようになるものが出てくる。  でも何であれ、仲間うちでこっそり文をまわすことはそんな罪のないものでも禁止されていた。  個人的な日記のようなモノも禁じられていた。  ノートを確認され、勉強以外の記述は破り捨てられるか、塗りつぶされた。 マザーに取り上げられたものには、セキュリティーの連中が落としていったエロ本なんかもあった。  これは少年も仲間と一緒に群がった。  女の身体が知りたかったから。  女を縛るような写真が沢山のっていた雑誌だった。  マザーにそうする参考資料で持ってきたのだろう。  でも、少年の身体は、他の仲間達とは違いそれには反応しなかった。  女には興味がどうもわかなかった。  ただ、白い肌にロープが食い込む写真には興奮した。  ・・・彼にそうしてみたいとおもったのた。  エロ本はすぐに取り上げられたが、彼は写真以外の、外の世界についての記述を記憶しておいた。  そして、エロ本が記載されている言語と、男達がマザーを責めながら使う言語が違うこと。 複数言語の国。 そして、男達の外見。 図書室の本からの各国の歴史や文化から。  それらから少年はここが東南アジアのどの国であるかを特定し、男達が印をつけた風俗店の情報からどのあたりの地域に自分達がいるのかを判断した。  ここは密林の中にある可能性が高い。  密林を抜ける必要以外がある。  情報は限られていたし、読んでも良い本も限られていた。   だけど、少年はずっと役にたちそうな情報は頭の中に蓄積し続けてきた。   それは子供向けの冒険物語だったり、教科書の味気ない記述だったりした。  マザーか何気なく放った雑談の中の一言だったりした。  とにかく少年は全ての情報を集めていたのだ。  こっそりと準備をすすめていく。  でも、とにかくこの「工場」を出なければ。  選抜は来週だ。  なんとかしなければ。    

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