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脱出計画3

 髪をつかんて引き起こされ、引っ張ったかれた。  少年の頬が鳴る。  「・・・なんてことをしてくれたんだ」  白い脚がさらに少年の顔を蹴った。  少年は懲罰室で殴られ蹴られていた。  床に転がされたままそれに耐える。  少年は後ろ手に縛られているので起き上がれない。  でも、怒り狂ったその白い顔を見上げた。  その顔はいつもの優しい笑顔などかなぐり捨てていた。  「・・・そっちの顔のがいいよ、マザー」  こっちが本当の顔なんだろう、そう思いながら少年は言った。  美しく、そして醜悪な顔。  「・・・今年は二人以外は合格になりそうで、喜ばれていたんだ。人形10体が完成すると。・・・もしも、アイツの顔が戻らなかったら・・・組織の僕に対する評価が下がるだろ!」  マザーは怒鳴った。  評価の低下は処分を招く。  うまくいったなら、組織に違う仕事に回してもらえたかもしれないのに。  人形から、組織の構成員になった例はなくもないのだ。  組織は優秀なモノが好きだ。  そして出来ないものは廃棄する。  「お前なんかのために・・・廃棄にされてたまるもんか!」  マザーは怒りにまかせて、少年の顔や腹に蹴りをいれた。  少年は呻く。  「・・・バカにするな」  マザーは唸った。  少年は後ろ手に縛られていた。  マザーは少年のズボンを乱暴に引き下ろす。  怒りと欲情は良く似ている。  だから、マザーが欲情したのかと少年は思った。  少年は丁度いい、とすら思った。  少年も暴力で興奮していて・・・したかったからだ。  でも、マザーの指は思いもやらないところへ向かう。  マザーは少年の白い尻を撫でた。  「・・・使ったことないんだろ、ここ」  マザーは囁く。  マザーは少年の尻を割開いた。   穴を撫でられる。  ピクン  少年は反応してしまう。  この身体は・・・淫蕩だから。  「やめろ」   少年は言う。  突っ込むのは好きだが、突っ込まれるのはゴメンだった。  「僕が突っ込むのは出来ないと思っているのか?・・・僕はどっちも得意なんだよ。・・・犯してやろうか。・・・泣いてゴメンなさいを言うまでここに突っ込んで泣かせてもいいんだよ」  マザーは囁く。   怒りとは裏腹にその指先はそこを優しく快楽を引きだすように撫でさする。    思わず、少年は吐息を漏らす。  「ここで一度したら、僕らみたいな身体はもう忘れられなくなるよ」  入らない強さギリギリでそこで指を押される。  慣れない感覚に喘ぐ。  「・・・だけど、お前みたい何は一度手酷くヤられた方がいいかもね、僕のアイツらを呼んで犯させてもいいんだよ。準備もなく突っ込まれて、痛さに泣き叫んでみた方がいいかもね、お前は」   マザーは囁く。  「泣きながら許して下さいってお願いするんだよ・・・されてみたら人生観変わるよ?そうしてやろうか」  マザーが顎をつかんで顔を覗き込みながら言う。  「そんなことは出来ないね・・・選別があるから。あんたは僕の身体を引き裂くようなことは出来ない」  少年は言う。  マザーの冷酷な目に映る自分を見ながら。  そう、それが頼みの綱だった。  多少の問題は・・・選別が終わるまでは見逃される、はず。  「・・・確かに。選別が終ってないのに僕がアイツらをけしかけることは出来ない・・・助かったとか思ってないか?バカだな・・お前」  マザーが冷酷に笑う。  「お前とあの子の選別は実質的には終わってるんだよ・・・選別と言う名目で組織の偉いヤツらが変態的なことを楽しむんだよ、お前とあの子でね。まだ後ろは処女だし、反抗的で元気がいいって報告してるから楽しみにしてるみたいだよ。アイツらに犯された方がマシな目にあわされるんだよ・・・他の子達は現役のセックスドールが審査してくれるから天国みたいな気持ちを味わえるのにね」  マザーは優しくそこを撫でさする。  思わず喘ぐのを少年はやめられない。  「僕ならここで、天国みせてあげたのに、可哀想にズタズタに引き裂かれ、一週間はまともに動けないからね」  マザーは笑う。  具体的なのは・・・そうされた過去があるからではないのか、少年は思った。  マザーは残念そうに溜息をついた。  少年は唇を噛む。  選抜前に逃げなければ。  「だからといって、お前を許してはあげない。お前は僕を危険に晒したんだ。罰を受けてもらおう」  マザーは言った。  そして立ち上がり、ドアから出て行き、すぐにもどってきた。  彼を連れて。

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