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殺戮7

 残っているのは数人の幹部。  少年と彼を犯すのが楽しみで来た変態達だった。  愚かなことに、ボディーガードをつれ、幼い少年を手酷く犯すのを楽しみに来た彼らは、銃を携帯してなかった。  自分達の「工場」だ。  こんな工場で、セックスドールのなりそこないをいたぶることは考えていても、自分達がやられる可能性など考えていなかったから。  「・・・待て」  彼らはナイフを持ったたった一人の少年に怯えた。  犯して、泣かせていたぶるはずだった少年に怯えた。  「待ってくれ」  彼らは哀願した。  泣き叫び、やめてくれと哀願する少年のそこに突っ込み、引き裂きながら犯すことを楽しみにしていた彼らが、やめてくれとお願いしていた。  「止めるわけないでしょ」  少年は薄く笑った。  コイツらだって少年が「止めて」と言っても止めるつもりなんてなかったのだから。  喉を切り裂いた。  もう、すっかり習得して殺すのに数秒もかからなかった。  コイツらを刺すのは、ドール達を刺すのとは違う意味で・・・興奮した。  お前達こそが死ぬべきた。  自分達の快楽を満足させるために、それが本物の人間ではないからと残酷さを楽しむお前らこそが。  残酷さを楽しむ奴らは、残酷に殺されても構わない。  僕がお前らに残酷さをかえそう。  お前達のものだこれは。  お前達の大好きなものだ。  だから僕も楽しむ    時間がないのが本当に残念だった。   あればもっと楽しめたのに。  セキュリティーはもうすぐ来る。  後はマザーだ。  マザーを殺すだけだ。  マザーを殺せば全てが終わる。  少年は部屋にマザーがいないことに、気づいていた。  マザーは扉の外からやってきた。  「見事なもんだ・・・ほぼ全員殺したね」  マザーが言った。  彼をその腕に抱えて。  彼は肩から血を流しながら震えていた。  彼の首には銃が突きつけられていた。  その銃はマザーがどこからか手にいれたのだろう。  どこから?  セキュリティーの奴らからに決まっていた。  彼らがマザーのものであるのは明白だった。  「・・・良く言うよ。あんたが僕に殺させたんだろ」  少年は笑った。  マザーは微笑んだ。   「わかっていたの?」  美しい微笑みだった。  少年はサバイバルナイフを振りかざす。  「引き出しにこんなあからさまなナイフを隠しているなんて、有り得ないだろ」  少年は笑った。  マザーに呼ばれ、マザーの部屋でマザーを抱く。  そう、マザーが意識を無くすまで。  そして、マザーの部屋で脱出に必要な情報や必要なモノを探していたのだ。  情報やナイフはあまりにも簡単に手に入り過ぎた。  「・・・『あんたが逃げるために』僕が必要だったんだろ。この騒ぎの間に逃げる。セキュリティーの奴らは全員あんたのモノだしな」  少年はわかっていた。  マザーは少年をそそのかしていた。  必要な物は与え続けて育てていた。   マザーはあえて、少年の危険性については組織に報告しなかった。   少年が欲しい情報は与えられた、ひっそりと。  少年とのセックスに溺れたふりをして、迂闊に部屋に置いてあるパソコン、机の開いたままのノートの記述。  少年か身体を鍛え続けることも、許していた。  全ては今日のために。  「・・・ずっと待ってた。自由になる日を。幹部の一人に色目を使い続けて、こっそりしゃぶったり挿れさせてやったりして、廃棄をまぬがれ、ガキ達の世話なんて役目についたのも・・・自由になるためだった。ここが一番セキュリティーが甘いからね。外からじゃなく、中から脱出するって意味では」  最初は、単にセキュリティーをたぶらかして逃げるつもりだった。   だが一年交代で変えられるセキュリティーでは組織を本気で裏切らせるのは難しいし、組織から自分を連れて逃げ切れるだけの男はいなかった。  でも少年がいたから。  少年こそ、逃げ切れるだけのものをもっていることがわかったから。  そして、少年が逃げることを考えていることが分かったていたから、もっと安全な方法を考えた。  少年が起こした騒ぎに乗じて逃げることを。  

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