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第5話

15分くらい車に乗っていると事務所に着いた。 怖い顔のお兄さんが中にいるのが見えたけど、普段なら素通りするような普通のビルだ。ここがヤクザの事務所だなんてだれも思わないだろう。入って行くと、 「お疲れ様です!」 怖い顔のお兄さん達が並び頭を下げて道を作っていた。俺は恐縮しながら歩いていたが、清美は当たり前のように歩いて先にあるエレベーターに乗り込んだ。上に行くとすぐに組長室があった。ここかー。やっぱりドラマみたいに日本刀とか飾ってるのかな。清美に限ってそれはねぇーか、てか清美と日本刀。ふっははっやばいツボる。似合わなさすぎるだろ。 「ふざけたことを考えているようですが、ここです。入りますよ。」 ガチャッ 「お!清美おせーな。まぁ俺は暇だからいいんだけどよ!ハハッ相変わらず元気なさそうだな。毎日のようにあってるけどよぉ、気合いだぞ気合い、」 うるさいなぁ、河原と違う感じだけどうるさい。 「こんにちは。」 うわっこっちは静かなのかよ。 「叶斗、紹介しますね。水谷と滝本です。水谷は組の事をメインに任せていて、滝本は私の秘書のような感じですね。2人とも幹部で、河原と同じ幼馴染です。これからお世話になる機会がたくさんあると思うので、あいさつしておきましょう。」 「えっはい。鈴川叶斗です。」 こんなヤクザの大人にあまり悪い印象を持たれては困るのでちゃんと自己紹介をした。 「金髪なんてチャラいなー、いいと思うぞ!俺は男らしくて。喧嘩は強いのか叶斗は!喧嘩はなぁ気合いだぞ、なんなら俺が特訓してやろうか!」 「やめてください水谷。叶斗わかってますよね。喧嘩したらどうなるかーーーー」 いや途中で止まるの怖っ。やっぱヤクザだわ。 「喧嘩したらダメなのか、可哀想に。男は強さが大事だぞ!!そして気合いだ!困ったらいつでも特訓してやるからな、相談しろよ!」 「あっ本当に困ったらお願いするかもしれません。」 清美に睨まれたが今のはセーフだろ。あぁ怖い怖い。 ぐぅぅぅぅ。やべっはずっ。今の俺の顔は真っ赤だろう。水谷めっちゃ笑ってるやん。辛い。 「もうお昼ですかね。出前でもとりましょうか。叶斗は、何か食べたいものはありますか?」 「えっおれ?寿司が食いてぇかな。」 「では、滝本お願いしますね。」 「了解です。」 そういい滝本携帯を持ちつつ部屋を出ていった。水谷はまだ笑ってやがる。 「いいと思うぜ、俺は。男らしくって。お腹なるとか、ふっふっふwww」 この後寿司がとどいて、あからさまに食べてやった。

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