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第345話 宮ノ内のバレンタイン 8 *

霧緒 冷蔵庫を開けて中を見渡し、ぶつぶつ独り言を言ってる詩を後ろから抱きしめた。 はっきり言って触れたくて仕方がない。 細い腰は女のように柔らかくはないけれど、しなやかで程よくしまっていてシャツ越しに伝わる温もりがいとおしく感じる。 パタンと冷蔵庫を閉めて、更に強く抱きしめようとすると、 「…嫌だ…」 「」 「この匂い……嫌だ……霧緒……」 「ん……」 「くっそー…脱げ」 …… どうやらこの匂いにえらく嫉妬しているらしい詩は、半ギレで俺の制服を脱がしにかかる。 ふと付き合い初めに詩が宣言していた言葉を思い出す「……先輩に執着するし…根に持つだろうし…束縛するかもしれない…遊び半分でポイ捨てされるとか…絶対に許さないけど…いいの?」はは…執着して欲しいし束縛して欲しい…ぶーたれた顔した恋人が、どうでもいい女に嫉妬していて、めちゃくちゃ可愛いんだけどどうしよう。 そんな半ギレ詩にキッチンで脱がされ、ほぼ全裸にされた。 「…これは脱がしてくれないの?」 「……そ、そちらは…セルフ…で…お願いします…」 案の定下着はそのままにしてあるのに詩らしいと思いつつ、どうせなら全部脱がして欲しいとおねだりをしてみた。 「ほら…中途半端やめろって。このまま全部脱がして…?」 「え"」 「……できるよな?」 つつ…っと指で詩の顎に触れ、指先で柔らかい唇をなぞる。 何度もセックスしているのに、未だにパンツ一つで動揺するなんて変な奴だ…って思う。 「早くしないとここで襲うぞ」 「はぁっ!?だっ駄目!」 駄目って言われるとしたくなる…意地悪に揶揄いたくなるからたちがわるい。 焦る詩を正面から強めに抱きしめ、身体を密着させ動けないようする。 暴れられても怒られても構わない…それくらいテンションが上がってきてしまった。 「ちょちょちょ!おい!変態!動けないっパンツパンツ!!!脱がすからっ!」 「あーーーーーー無理」 「無理ってなんだぁ!!」 「すっげぇ…今ヤバい…」 「…そうだなお前今の姿ヤバいぞ…冷蔵庫の前で全裸って」 「全裸じゃねぇだろ…詩…風呂場までもたない…」 「え、え、え?」 「詩くんのやらしいエロい姿見たい。今見たい…マジで見たい…詩の事…食べたい」 「え!ちょっ……そ……んん…っ!」 焦る詩の唇を奪い、久しぶりのキスをした。 恋人の薄い身体を抱きしめ、両腕が勝手に動きするすると詩のシャツの中に入っていき素肌の背中や腰を這いまわる。 敏感な部分に触れるだけで、ピクピクと反応する詩の身体が、素直過ぎてそれだけで興奮してきてしまう。 キスが深くなっていくと、抵抗力は消え次第に互いの舌が絡み合う……詩の舌が積極的になると嬉しくて愛しさが込み上げてくる。 適度な疲労と空腹……目の前には嫉妬している可愛いツンツンした美味しそうな恋人。 ゴクリと喉がなってしまう。

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