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第353話 宮ノ内のバレンタイン16

ぎゃーーーーー!!! な、なんだよ! 食ってる途中でキスされた! 塞がれた口に霧緒の舌とチーズケーキとが俺の口の中に侵入してくる。 ねっとりと唾液に交じって今までにない感覚に驚き、全力であわあわ焦ってしまった。 チョコ味とチーズケーキの味と霧緒の味と相まって何味になるのか?わ、わかりませんぞ!脳内はお手上げ状態だ。 「ん、ぬ…っ!」 いつもより唾液が増え、舌が触れ合い味のついた唾液をゴクリと飲み込む。 絡む舌はとてもやさしくて、それについつい自分も夢中で答えているともう気持ちよくなってきてしまうから、本当俺ってっ! 俺って!味が薄らいでも、ハムハムとキスをしたい。 もっと… もっと… 気がついたら俺の方が押せ押せ状態で、霧緒をラグに押し倒していた。 「……すごい積極的……今の気に入った?」 「……は…はぁ…はぁ……あ?……あら?」 やべぇ…… 夢中にチュウしてたら、俺の方が盛り上がってしまっていた。 押し倒された霧緒は楽しそうで嬉しそうで瞳がキラキラと輝き、うっとりと俺の事を見つめている。 「ほら……もっかいキスしようぜ詩……」 「えと……あの……」 サラリと髪が流れ、前髪の間からほとばしるエロを放った瞳は色っぽく、直視できないくらいだ。 その前髪に触れそっと撫でてみる…… 瞳を細め気持ちよさそうな表情をする様子は、まるでワンコみたいだと思った。 俺がキスするのを待ちきれないように霧緒の手は俺の腰を撫でて服の中に手を滑り込ませてくる。 腰を撫で背中、わき腹はくすぐったくそのまま胸を…… ドキドキとゾクゾクが止まらない…… あわわわ…… どうしよう!! へ、部屋まで……ベッドまで待てないっ! そのまま霧緒に覆いかぶさり、身体を重ね唇を重ねた。 待ってましたとばかりに強く抱き締められてしまえば、もう向こうの罠にハマってしまったも同然。 今度はリビングでイチャイチャとすることになってしまった俺たちは、とっても甘いバレンタインデーを過ごしたのだった。

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