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第354話 バレンタインの後

「え…………」 「……」 「キ、キッチン!!!?」 「……う、うん」 「詩達、キッチンでシタのっ!?」 「うううん……ま、まぁ……軽く?…最後までじゃないです…よ?」 「ひぃ……」 こちら毎度おなじみ、椿家の俺の部屋。 バレンタイン後の週末に、玲二が泊まりに参りました。 俺が玲二の家に行くことはできないので、週末は玲二が俺の家に遊びに来て、お泊りすることがちょいちょいのペースある。 玲二の家に行くことができない理由は勿論、玲二の弟の類がいるからだ。 あいつとの接触は霧緒に禁止されている。 で、バレンタインの報告会というのだろうか……学校ではちょっと話しづらい……スマホで話すには物足りない。……こうやってお菓子をつまみつつ寝転がり、だらだらと玲二と話をするのが楽しい。 ましてや俺たちは付き合っている相手が同性ということで、他の誰かに話すことができない今、俺と玲二は固い絆で結ばれているのだ。 キッチンでチョメチョメされたことを玲二に話したら、マジで驚かれてしまって若干慌てる俺がいた。 ドン引きまではいかないけれど、玲二と菊池先輩はそんなところでしないみたいだ。 ……あははそりゃそうだ……キッチンは料理するところだもんね!あははあはは! 「宮ノ内先輩って……凄い溜まってたんじゃないの?」 「え、あー!そうだな!うんうん、ずっと受験勉強ばかりしてたからな」 「じゃなきゃそんなところでしないだろ……エローい!さっすが宮ノ内先輩」 「玲二達はいつもどこでエッチするの?やっぱ菊池先輩の部屋?……お泊りとか……したとかないのか?」 「うん、先輩の部屋だよ……でもお泊りとか考えられない。はあぁ……詩のとこはいいよなー!家が隣って超羨ましいよなー!クリスマスの時も二人でホテル行ってたし!僕も菊池先輩とお泊りとかしてみたい」 「うんうん、だよなー!クリスマス……あれよかったわー!何か泊まる部屋に入ったらさ、テンションあがって、俺一人で部屋のあちこちの引き出し開けてみたりさー楽しかったなぁ」 「だって!絶対イチャイチャセックスしまくっただろ?クリスマスの夜なんて、ヤラシイ事しかしないだろ!くっそー!」 「……そ、そうですね。んん?玲二くんかなり不満が溜まっているのかな?発言が毒々しいぞ?バレンタインの日、エッチできたんじゃないの?菊池先輩と」 そう、玲二は何やら不満そうにしていて、少し不機嫌なのだ。 どうやらエッチの途中で弟の類に邪魔されてしまい、完全に菊池先輩不足らしい。 寝間着姿の玲二は、口を尖らせて布団の上で寝転がり、スマホを弄っていた。

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