354 / 506
第354話 バレンタインの後
「え…………」
「……」
「キ、キッチン!!!?」
「……う、うん」
「詩達、キッチンでシタのっ!?」
「うううん……ま、まぁ……軽く?…最後までじゃないです…よ?」
「ひぃ……」
こちら毎度おなじみ、椿家の俺の部屋。
バレンタイン後の週末に、玲二が泊まりに参りました。
俺が玲二の家に行くことはできないので、週末は玲二が俺の家に遊びに来て、お泊りすることがちょいちょいのペースある。
玲二の家に行くことができない理由は勿論、玲二の弟の類がいるからだ。
あいつとの接触は霧緒に禁止されている。
で、バレンタインの報告会というのだろうか……学校ではちょっと話しづらい……スマホで話すには物足りない。……こうやってお菓子をつまみつつ寝転がり、だらだらと玲二と話をするのが楽しい。
ましてや俺たちは付き合っている相手が同性ということで、他の誰かに話すことができない今、俺と玲二は固い絆で結ばれているのだ。
キッチンでチョメチョメされたことを玲二に話したら、マジで驚かれてしまって若干慌てる俺がいた。
ドン引きまではいかないけれど、玲二と菊池先輩はそんなところでしないみたいだ。
……あははそりゃそうだ……キッチンは料理するところだもんね!あははあはは!
「宮ノ内先輩って……凄い溜まってたんじゃないの?」
「え、あー!そうだな!うんうん、ずっと受験勉強ばかりしてたからな」
「じゃなきゃそんなところでしないだろ……エローい!さっすが宮ノ内先輩」
「玲二達はいつもどこでエッチするの?やっぱ菊池先輩の部屋?……お泊りとか……したとかないのか?」
「うん、先輩の部屋だよ……でもお泊りとか考えられない。はあぁ……詩のとこはいいよなー!家が隣って超羨ましいよなー!クリスマスの時も二人でホテル行ってたし!僕も菊池先輩とお泊りとかしてみたい」
「うんうん、だよなー!クリスマス……あれよかったわー!何か泊まる部屋に入ったらさ、テンションあがって、俺一人で部屋のあちこちの引き出し開けてみたりさー楽しかったなぁ」
「だって!絶対イチャイチャセックスしまくっただろ?クリスマスの夜なんて、ヤラシイ事しかしないだろ!くっそー!」
「……そ、そうですね。んん?玲二くんかなり不満が溜まっているのかな?発言が毒々しいぞ?バレンタインの日、エッチできたんじゃないの?菊池先輩と」
そう、玲二は何やら不満そうにしていて、少し不機嫌なのだ。
どうやらエッチの途中で弟の類に邪魔されてしまい、完全に菊池先輩不足らしい。
寝間着姿の玲二は、口を尖らせて布団の上で寝転がり、スマホを弄っていた。
ともだちにシェアしよう!