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第369話 卒業旅行2
「やっぱりさー、宮ノ内先輩って相変わらずカッコいいよね……」
「んん?どうした玲二くん。霧緒に見とれちゃったのかな?」
「え、ち、違うよ!菊池先輩と宮ノ内先輩、二人並ぶと雰囲気でるな~って思ってさ」
「うん、確かに雰囲気でる。俺達にはない男の何か……フェロモン的なのを二人は醸してる感じがする……」
「そそ!フェロモン出てる!僕や……詩からは……うーん悲しいかな出てないよね……」
「……そだねーフェロモン……ないねーどうしたらでるの?」
明らかに俺達とは違うオーラを纏った先輩二人は、電車待ちをしている今もチラチラと周囲からチラ見されていて、改めて格の違いを見せつけられた気がした。
見られることに慣れっこのご本人達は、全く気にしていないみたいだけどね。
「どうしたら……ンー……フェロモンはですね、動物の体内でつくられ、体外に放出されて同種の他の個体の行動や発育に影響を与える物質だって。へぇ……フェロモンは脇の下から分泌されているみたいだよ」
「え、脇の下?マジで脇汗とかかな?以外な場所から放出されてんだな」
「そうだね。異性を惹き付ける成分かぁ~クンクンクンクン」
「……ど、どうですか玲二先生。俺にフェロモンはありますか?」
「……うーん……」
「先生!いいんです!正直に言って下さい!」
「詩くん、君ね……お手上げだよ。さっぱりだ」
「いやー!!」
スマホを使って調べる玲二と、それを真剣に聞く俺。
そのうちにおかしな会話になって収集つかなくなるのはいつものことなんだけど、その様子を近くでニコニコしながら見ている菊池先輩と、ため息を付きながらも黙って見守る霧緒がいた。
今回の卒業旅行、霧緒と一緒にいれることが何より嬉しいけど……やっぱり玲二がいてくれて嬉しい!玲二好きだー!って思う。
くだらない話ができてノーストレスで一緒にいられるのは霧緒もだけど、友達では玲二がダントツかもしれない。
お悩み相談もできるし!
霧緒とはまた違う、あったかいものをくれる。
「電車ホームに入って来るぞ」
「「はーい」」
乗車する目的の電車がホームに入って来た。
昨日からあまり寝れてないけど、興奮し過ぎて眠気もぶっ飛んでいる!
全然眠たくない!
ワクワクが止まらない!
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