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第376話 卒業旅行9
一通り観光を終え、菊池先輩と玲二の二人と合流し、宿泊先である旅館へと向かった。
旅館には緑豊かな庭園があり、そこには瀧が流れていて大自然を身近で感じることができる。
「玲二……館内にコンビニがあるぞスゲー」
「インターネット接続OK。Wi-Fi繋いだ」
「え早っ!俺のもやってやって~。あ!お土産コーナーある行こ行こ!」
「詩!走っちゃ駄目だよ。早歩き!」
「競歩競歩!」
大きな旅館で部屋数が200部屋ほどあり、施設の設備も充実していて、ワクワクしっぱなしの俺と玲二は、荷物を部屋に置いて早々一階へと下りて行った。
お土産コーナーと言っているのは、一階にある売店のことで、お土産の他にも旅に必要な必需品を色々と揃えてあって見ていて楽しい!
「なーんかテンションあがるー!」
「だよねー!」
「で、で?菊池先輩とどこ行ったんだよ玲二くん。後ろ振り返ったら二人消えててさぁ、ビックリしたんだぞー」
「ふふふ、それは秘密です。なんてね、湖沿いに歩いてから神社行ったよー」
玲二は嬉しそうに俺にスリスリしてくるから、詳細を聞かなくても、楽しいデートだったんだと想像がついた。
普段表情があまり変わらない玲二だけど、ただ今緩んでます!顔の筋肉緩んでますぞ!!
「よかったなー。ラブラブで!俺も嬉しい!」
「詩だって、宮ノ内先輩とラブラブしてたんだろ?どこ行ったのさ」
「俺たちは先に神社行ったから、玲二たちとは行き違いだったかも。お参りして、そのあとは美術館行って来た」
「おー!詩が美術館!」
「おう!芸術にね……触れて来たんだよ玲二君。ってまぁ霧緒のリクエストなんだけどね!」
お土産のお菓子を色々眺めながらお互いの報告をしていると、霧緒と菊池先輩が歩いて来るのが見えた。
「詩!お前なぁ。荷物も上着もほったらかしで行きやがって」
「はひ!マジですかサーセン!」
ふににと霧緒に頬っぺたと抓られてしまった。
そうです、部屋についてから勿論お部屋チェックはしたけれど、ワクワクが止まらなくて荷物は置きっぱなし、上着は脱ぎっぱなしで出てきてしまったのだ。
あ、でもちゃんと霧緒にぎゅーしてもらうのは忘れておりません!
これは人前ではできないから、上着を脱いでからすぐにしてもらいました。
ちなみに俺達の部屋は、和室部屋を二部屋とっていて、部屋割りは勿論霧緒と俺、菊池先輩と玲二だ。
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