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第388話 卒業旅行21 夕食

「あの時は見たことある子がいるなぁって……そんな感じで近づいたからな。詩が食べてた弁当、美味しそうだったし」 「とか言っちゃって!普段はこいつあんなこと絶対しないんだぞー!俺こいつのパスタがのったトレイ持たされっぱなしでイライラしたけど、仕方ないよなー!運命の相手に出会っちゃったんだもんなー!」 「ぶーーーー!!!」 「……詩吹かないで。何か飛んできた」 「わ、悪い玲二っ!だって菊池先輩がっ」 「まぁ、思い返してみると、途中から弁当のおかずより、詩のうなじの方ばかり見てたから運命だったのかもな」 「うわっきたー!!うなじ!エロ緒の視点はやっぱり違うなー!」 「は!え?うなじ?お、俺の??」 「わー!そうなんだー!詩のうなじが二人を結んだんですねー凄い」 「な、何か違うだろー!あ!それ!玲二のお鍋噴いてるっ!蓋開けて!」 すき焼きが入った鍋を開けて美味しいお肉を頬張り、小さなグラスに入った山葡萄ジュースを飲み、食べきれないと思っていた食事がどんどんお腹の中へ納まっていく。 デザートのアイスは霧緒の分も貰って二人分食べてしまった。 「こうやって一緒に旅行って楽しいですね。また行きたいです」 「うん!行きたいっ!」 「そうだな」 「今度は沖縄とかねー!いいねー!」 「「おおーーーー!沖縄ーーーっ!」」 今回は卒業旅行で企画したけれど、またこの四人で旅行に行けたら楽しいだろうと思った。 こんな楽しい旅行が今回限りなんて勿体ない。 また次回があると思うと、楽しさが増す気がしてドキドキ興奮してきてしまう。 「おおお、それマジ楽しみ!ワクワクしてくるー!」 「って詩、お前興奮し過ぎだって。顔赤いぞ……?」 「いやー!楽しいしご飯美旨かったしっ」 「詩?何か顔赤いよ。ちょ……熱あるんじゃない?」 「え?」 目の前に座っている玲二の顔が俺を見て驚いていて、隣からすかさず霧緒の手が現れ俺のおでこに当てられた。 「……少し熱いな……頭とか痛くないか?」 「えーと……全然!元気っす!」 「にしては萩生赤いぞ。酒でも飲んだか?」

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