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第403話 卒業旅行36 おかしな二人
「……ご、ごめん」
「……なにが」
「だ、だって俺、何かしたでしょ」
「……した」
「思い出せなくて……それに霧緒怒ってる……」
「……なんでそう思う?」
「眉間に皺よってる……」
「……」
霧緒の顔を見ればひと目でわかる。
眉間に皺が寄ってることもそうだけど、そのエロい瞳には俺に向けた不満が含まれていて、どうしたらいいのかわからない。
その不満は俺が覚えていない間に起きた何かに対してだ。
ピクン
「ぁ」
それを聞きながらも霧緒は俺の手に舌を這わして舐めていき、背中に回された腕は少しずつ背中から腰へ尻と移動していく。
お互いの吐息がかかるくらいの距離だ。
いつもならキスをおねだりするところだけど、どうもそれは許されない雰囲気。
指を絡め少し歯を立てられながら舐め上げていく霧緒は無言だし、口から覗く舌がエロくて色っぽくて思わず目を閉じてしまった。
目に毒過ぎだってー!
閉じたら閉じたで舐められる感覚がモロに伝わってゾクゾクしてくる。
それはそれで身体がヒクつき、ヤバくて泣きたくなってきてしまう。
それを知ってか知らずか、舌先で指と指の間を舐めてみたり、ワザと音を立ててみたり……指自体をあれに見立てて、いやらしくしゃぶったり愛撫するからたまらない。
「……お前酔っぱらったんだよ」
「え」
酔った?
「アイスに酒粕入ってたんだと……それに酔うなんて弱すぎだろお前」
「え、え」
「……」
「……」
「……はぁったく……あれを覚えてないとは」
「あ、あれって?」
「……知りたい?」
「……うん、できれば教えていただけたら」
「教えない」
「!」
「あーでも襲われたんだ」
「はぁ?誰にっ!」
「お前に決まってんだろっ!」
「うぎゃ!」
ごちんとおでこに頭突きを食らってしまった!
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