410 / 506
第410話 卒業旅行43 おかしな二人
「お前が!!お前が言うな馬鹿っ!巻きで言わないと何度も先越されそうだから今言ってんだよ!」
「え、え!?どういうこと?」
「あーもう!さっきお前が酔っぱらった時に俺にプロポーズしたんだよ!いいかプロポーズだぞ!そんな大事なことなのにさっぱり覚えてないだろ!ほらその変な顔……絶対覚えてねぇ!俺が怒る理由分かったか!」
「は、あははは……ふふふそんなことを俺ってば言ったの。た、大変申し訳ないです。へへへ……へへへ」
「はぁ……ったく……」
霧緒の呆れ顔にそっと触れ、頬をゆっくりと撫でながら笑いが止まらない。
だけど視界は滲み涙が溢れだす。
「へへへ……へへへありがとう嬉しい……す」
言葉全部が嬉しい。
……よく分からないくらいスゲー嬉しくて、ニヤニヤ笑ってボロボロ泣いた。
こんなはずじゃなかったのにエッチは中断、箱ティッシュ片手に目も鼻も赤くなるまで泣きまくってしまった。
そういえば霧緒のこと、もっちーだと思って抱きしめて寝てたことあったっけ。
柴犬のもっちーは実家にいて、気軽に会うことはできないし、父さん母さんは幼い頃に他界してもうこの世にはいない。
実際親のぬくもりなんて覚えてなかった。
俺が椿家に引っ越ししてきて、霧緒が隣に住んでいて、初めは獣みたいで怖かったけど、気がついたらそばに居て共に過ごす時間が増えホームシックはどこへやら。
霧緒は……霧緒の隣はあったかい……
そして今ではなくてはならない大切な存在となっていた。
家族以上の存在!ですよ!
「大好きぃ……」
「はは……愛してる……」
抱き合い笑いながら触れあう唇は離れず、甘くて深いキスへと変わっていき、一度落ち着いていた熱が再発し始める。
何度も何度もキスを交わす。
互いの舌を唾液を絡め夢中に求め合う。
顔中にキスをされ、キスを返し首筋へ……身体中にいっぱいキスをした。
気持ち良すぎてもっと霧緒が欲しくて、いつもより積極的におねだりをした気がする。
「やばい顔の詩も最高可愛いから……な」
「……それっ!なんかおかしいから!うぁっ!あ……ン!」
「……は、詩の中、あっつくて……最高……っ」
「あぁ!……あ……はンっ……!」
それから時間が許すまで、二人しっかりイチャイチャ愛し合ってしまったのだ。
……はぁ……幸せ過ぎるー!
ともだちにシェアしよう!