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第410話 卒業旅行43 おかしな二人

「お前が!!お前が言うな馬鹿っ!巻きで言わないと何度も先越されそうだから今言ってんだよ!」 「え、え!?どういうこと?」 「あーもう!さっきお前が酔っぱらった時に俺にプロポーズしたんだよ!いいかプロポーズだぞ!そんな大事なことなのにさっぱり覚えてないだろ!ほらその変な顔……絶対覚えてねぇ!俺が怒る理由分かったか!」 「は、あははは……ふふふそんなことを俺ってば言ったの。た、大変申し訳ないです。へへへ……へへへ」 「はぁ……ったく……」 霧緒の呆れ顔にそっと触れ、頬をゆっくりと撫でながら笑いが止まらない。 だけど視界は滲み涙が溢れだす。 「へへへ……へへへありがとう嬉しい……す」 言葉全部が嬉しい。 ……よく分からないくらいスゲー嬉しくて、ニヤニヤ笑ってボロボロ泣いた。 こんなはずじゃなかったのにエッチは中断、箱ティッシュ片手に目も鼻も赤くなるまで泣きまくってしまった。 そういえば霧緒のこと、もっちーだと思って抱きしめて寝てたことあったっけ。 柴犬のもっちーは実家にいて、気軽に会うことはできないし、父さん母さんは幼い頃に他界してもうこの世にはいない。 実際親のぬくもりなんて覚えてなかった。 俺が椿家に引っ越ししてきて、霧緒が隣に住んでいて、初めは獣みたいで怖かったけど、気がついたらそばに居て共に過ごす時間が増えホームシックはどこへやら。 霧緒は……霧緒の隣はあったかい…… そして今ではなくてはならない大切な存在となっていた。 家族以上の存在!ですよ! 「大好きぃ……」 「はは……愛してる……」 抱き合い笑いながら触れあう唇は離れず、甘くて深いキスへと変わっていき、一度落ち着いていた熱が再発し始める。 何度も何度もキスを交わす。 互いの舌を唾液を絡め夢中に求め合う。 顔中にキスをされ、キスを返し首筋へ……身体中にいっぱいキスをした。 気持ち良すぎてもっと霧緒が欲しくて、いつもより積極的におねだりをした気がする。 「やばい顔の詩も最高可愛いから……な」 「……それっ!なんかおかしいから!うぁっ!あ……ン!」 「……は、詩の中、あっつくて……最高……っ」 「あぁ!……あ……はンっ……!」 それから時間が許すまで、二人しっかりイチャイチャ愛し合ってしまったのだ。 ……はぁ……幸せ過ぎるー!

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