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第411話 卒業旅行44 可愛い二人

「どあ~~~~!」 「うはぁ~~~!」 「気持ちいいですなぁ~」 「そうだねぇ~」 ここは早朝の貸し切り露天風呂。 朝日を浴びてキラキラと光る温泉に肩まで浸かり、気持ちが良すぎて思わずおっさんみたいな声を出しているのは、俺と玲二だ。 お互い足を投げ出し、身動き一つしない。 まぁ……しないというかできないというか? 身体のあちこちがだるかったり重かったりで、温泉のあたたかな湯が非常に心地よい。 なぜ二人で入っているかというと…… 早朝、俺が玲二を風呂に誘ったのだ。 トントンと隣の部屋をノックするのは、結構勇気がいりました! だけどだけどっ!聞いてっ! 奇跡的にね! 霧緒から許可が下りたのだっ! 玲二と二人だけなら、一緒に風呂に入ってもいいって! でも菊池先輩がなんて言うかわからないから、断られたら諦めろよ? そうも言われたので、ダメ元でふらふらと隣の部屋へ。 応答があるまで暫くしたけど、ガチャリと扉が開き、寝起きの菊池先輩が顔を覗かせた。 ……! ひぇ!ひぇっ!! 玲二生きてるかな? 明らかに寝起きの気だるそうな菊池先輩からは色気がムンムンと溢れていて、来たことを一瞬後悔してしまう。 そりゃそうだ……昨晩は玲二といっぱいラブラブラブラブしたはず! 泣きそうになりながらも要件を伝えると、意外にもあっさりOKがでた。 殆ど寝てる状態の玲二を連れて、ただ今朝の温泉を堪能している訳なのだ。 「い、生き返ったぁ……」 「今日もいい天気そうじゃん」 「そうですなぁ~」 「んー!詩と一緒に温泉は入るの諦めてたから嬉しいな」 「へへへ俺も嬉しい~」 「それにしてもさ、宮ノ内先輩が許してくれたって信じられないんだけど!どうやって説得したの?」 「ふふふ」 あれからイチャイチャした後のこと、霧緒にお願いしてみたのだ。 はじめは当然渋い顔をして可能性はゼロに近かった。 だけど、俺の身体についている点々と散らばる数々の痣……キスマークを見せながら、 『これをさ……玲二に自慢したいんだけど、駄目……かな?』 そうお願いしたらOKがでました! 「はは、ウケる~。こっちはさ、萩生がボロボロで気の毒だから断れないって言ってたよ。」 「え」 「寝ぐせ凄いし、顔もすごいし?それに宮ノ内先輩の許可が下りたなら仕方ないよな。だって」 「はは、あはは」 「それにやっぱり詩に感謝してるからだと思う。詩、皆で温泉に入るの楽しみにしてたしね」 「うん!とっても楽しみにしてましたー!」

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