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第417話
さてさて、始まった新学期。
二年生になった俺萩生詩 は、気持ちも新たに、新学期を満喫しようとしていたんだけど、口からため息が零れてしまった。
「だあぁ……玲二と……離れたあぁ……」
「は?離れたって言っても、屋内って隣のクラスじゃん?毎日会ってるよな、お前ら」
「……うぅ……そうだけど」
そう落ち込む俺に声をかけるのは、一年の時同じクラスだった仲島七空 。
通称なっちと呼ばれている奴だ。
坂口由宇 (ゆっぺ)と秋山絵里 (ニコラ)と仲が良いけど、そこもそれぞれ離れてしまったみたいで、仲島も落ち込んでいた。
俺も親友の屋内玲二 と違うクラスになってしまったのだ。(隣のクラスだけど)
「クラスが隣ってだけで幸せと思わないと。俺なんか、ゆっぺと階が違うんだぜ……階だぞ。遠距離もいいところだろ」
「……確かにそうだけどさぁ……」
「つかお前ら、さっきも一緒にいたよな?休み時間毎回抱き合ってるよな!それで良くそんな切なそうな声をあげられるな」
「……あ、はい。そう言われると確かに……そうだな。仲島よりはましか……」
「うあぁ……俺、比べられてる!癒えかけていた胸の傷が再び開くだろ………あぁ~ゆっぺ~~お前は今何をしているんだ」
……
俺と玲二の仲は当然だけど、仲島と坂口も仲いいよなぁ。
あんなこと言ってるけど、お前ら毎日一緒に帰ってるの知ってるからな。
でも階が違うのはなぁ……それはちょっと仲島が可哀そうに思えてくる。
新しいクラスメイトが嫌とかじゃないけど、最愛の親友と離れるのはツラい。
玲二……お前は俺の、最愛の親友なんだぜ。
「でも仲島とまた同じクラスになれて良かったと思ってるからな!仲良くしてくれ~」
「は、萩生……俺もお前と同じクラスになれて良かったって思ってる。よろしくな!」
「おう!」
「あ、そういえば宮ノ内先輩とは会ったりしてんのか?家隣なんだろ?」
「え」
「目の保養の先輩たちがいなくなって、女子たちの間に宮ノ内&菊池先輩ロスが起きただろ。新三年生にはあそこまでカリスマ性あるイケメンいないからさ~。なんか先輩たち、元気にしてんのかな~?って気になって」
目の保養の先輩たち。
宮ノ内霧緒 先輩と菊池宗太 先輩。
確かにあの人気っぷりは凄かったと思う。
歩いているだけでカッコいいし、存在感があってカリスマ性もあった。
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