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第419話
昼休み、クラスの女子と一緒に学食へ向かい、待ち合わせた子とカシャリカシャリと写真を撮った。
「わぁ……萩生くん。あ、ありがとう……」
「どもども」
「あの……!詩くんとメッセージ繋がらせてもらってもいいかなぁ?」
「えーと、うん。いいけど……俺でいいの?」
「え、全然いいよ!ありがとう!嬉しい!」
「うん……」
女子は真っ赤な顔してて、凄く嬉しそうだったから、きっと俺に好意があるのかなって……流石の俺でも思ってしまう。
それにさ、なかなかどうして、最近メッセージのフレンドが増えたんだよね。
……これがモテ期ってやつか?
ふふふ……モテる男はツラいぜ~。
そうわざと思ってみるけど、全然実感として受け止められなかった。
何故なら……そもそも俺は全然イケメンじゃないからだ。
知っているかと思うけど、モテる奴はオーラがある。
そう……オーラだオーラ。
で、エロ気があるものだろ?イケメンだろ?どっかの誰かさんみたいなエロエロ気だ。歩いてるだけで存在感あるとさか!
きっとそういう奴が学校からいなくなったから、女子はこんな俺なんかに来るんだ。
「どこかにイケメンはおらんのか……」
「……何言ってるの?」
学食の椅子に座っていたら、玲二がやってきた。
今日は二人で、学食の日替わり定食を食べることになっていたのだ。
玲二は眠そうな瞳で、目の下には相変わらずクマができていた。
片目は長い前髪に隠れて邪魔そうだけど、彼はそうなっていないと落ち着かないみたい。
「へぇ~またフレンド増えたんだ。詩って絶賛モテ期~。いいじゃん、嫌われるより好かれた方が嬉しいし」
「そうなんだけどさ~」
「さっき写真撮ったって子から告られた訳じゃないんだろ?」
「う、うん」
「ならとりあえずは、友達として付き合えばいいじゃん。その先まで考えなくていいと思うよ」
「あ、そっか。そうだよな」
「……って、詩ならそう言いそう。もし僕が詩の立場だったらだけど」
本日の日替わり定食は油淋鶏で、めっちゃご飯進む!美味しい!
玲二と向かい合いモグモグしながらの昼休みの一時は楽しく、癒しの時間だ。
……そうだよな……確かに告白された訳じゃないから、気にしなければいいか。
「玲二ナイスアドバイス。そうだよな~」
「ま、詩の気持ちも分かるけどね。本音は告白されても、それに応えてあげられないから困ってんだろ~?」
「う、うん……玲二くん?ニヤニヤしないで」
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