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第425話
近所の内科を受診し、処方薬を出してもらった。
とりあえずインフルではなかったけど、具合は全然良くない。
……あれが原因だったかどうかは分からないけど、大人しく寝てるしかないよなぁ。
昨日、学食で後輩に水をかけられてしまった事故。
タオルで濡れた箇所は拭いたと思ったけど、着替えず、自然乾燥で済ませたのが良くなかったのかな?ワイシャツ湿って少し寒かったけど、耐えられた範囲だし直ぐ乾いたし。
篠島くんだっけ……凄く謝ってくれてたからもし俺が休んだって知ったら、責任感じてしまうかもしれない。それを思うと申し訳なくなってくる。
明日は学校休みだから、その間に治してしまわないと……
「詩大丈夫?ちゃんとお薬飲みなさいね」
「うん、ばあちゃんごめんね。寒いから、毛布もう一枚欲しい」
「かけてあげるから、早く横になりなさい」
「はーい」
ばあちゃんに毛布をさらにかけてもらい、寒くないように温かくしてベッドに潜り込む。
寒気がするダルい身体を、抱きしめるようにして、なんとか眠りについた。
……
……
ふぁ……?
どれだけ寝たのか、身体が熱くてふと目が覚める。
うつ伏せのままで少し身体を動かすと、汗を掻いているのか、着ているパジャマが濡れているのが分かった。
着替えないとかな……
だけどダルくて動きたくない。
頭痛を治まったみたいだけど、少し喉が痛かった。
今……何時……かな。
喉……渇いたな……
置いてあるスポーツドリンクを飲もうと布団からゆっくり手を伸ばすと、謎のヒヤリとするものが俺の手を……握った?
……あれ?
ぼーっと顔を上げてみると、そこに会いたかったイケメンの顔があって驚いた。
驚いたけど、色々身体が言うことを聞かないので、リアクションできずに見つめていると、
「手あっつ……飲むか?」
そう言って、ペットボトルを持ち上げる。
「……うん」
「……」
ペットボトルを開けて、ばあちゃんが用意してくれたコップに注いでくれてる。
「風邪?」
「うん……そうみたい」
「また腹出して寝てた?」
「……そんな、こと……は……たぶん……ない」
「起きれるか?」
「ン」
熱くなった身体を起こして、コップを受け取り、ごくごくと飲み干した。
温くなったスポーツドリンクだけど、身体が欲しているようで一杯じゃ全然足りない。
「……はぁ……風邪、移るよ……」
そう言いながら、空になったコップを差し出し、おかわりをお願いした。
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