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第428話

困った顔をした篠島は、俺と並んで歩き始めるけど、年下なのにこやつ……背が高いな。 霧緒と同じくらいかな? 「……篠島って背いくつあるの?」 「身長180cmです」 「ふーん、やっぱりそれくらいあるよな」 「萩生先輩はいくつですか?」 「俺は170cmだよ~」 「そっか。ふーん、……10cm差って丁度いいですよね」 「え、10cm?何が?」 「あああ!全然気にしないで下さい!!こっちの話なんで!せ、先輩って学校から家近いんですか?」 「○丁目だから、歩いて20分くらいかな」 「へぇ~!俺の家、○総合病院の近くなんですよ~」 「え、そうなの?近いじゃん」 遠くから来てる奴もいるから、ご近所だと急に親近感が沸いてくる。 話してみると篠島って話しやすいし、気さくで優しい奴だった。 それでこんなにイケメンなら、さぞかしモテるんだろうなぁ~って思ってみたり。 その証拠に、チラチラと登校中の女子からの視線を感じるのだ。 うんうん、篠島くん君見られてるぞー!モテる奴はこうでないと! 「ね、篠島って彼女いないの?」 「え!俺ですか?いないですよ~」 「そうなんだ。スゲーモテそうだから、いるんじゃないかなって思ったんだけど」 「そんなことないです。先輩の方が絶対モテてるでしょ」 「え?俺!?んなわけないじゃん!篠島ってオーラあるし!中学でもモテててそう。モテオーラが見えるぞ」 「……ぷっはは、モテオーラって何ですか。萩生先輩って面白いですね」 おお!笑うと急に可愛くなるんだな。 年下なのに大人びていて、でも笑顔は可愛い!って……えっとこういうの何て言うんだっけ? 「あ、ギャップ萌えってやつか」 「……?はい?」 つい口にしてしまったけど、慌てて誤魔化して学年の昇降口でバイバイしようとした時。 「あ、ああの!先輩のメッセージ何ですけど!聞いても良いですか!?」 「え」 「あ!フレンド……なんですけど……よよ良かったら交換……」 「うん、いーよー」 こういう可愛い後輩となら全然いいぜ。 知らない女子とするより気軽だし、素直に嬉しい。 別れ際にフレンド登録し合って篠島と別れた。

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