433 / 506
第433話
「え、何……仲島デェズニーランド行きたいの?」
「萩生……もう俺のことは仲島じゃなくて、なっちって呼んでくれ」
「……な、なっち」
「はーい!俺も萩生のこと詩って……あ……嫌……大丈夫。萩生でいいわ」
「どっちでもいいけど。なっち、もしかして今の聞いてた?」
「聞いてた聞いてた。耳をダンボにして聞いてたわ。そのメンバーの最後の一人は間違いなく俺だろ」
「えー玲二にしようかなって思ってたんだけど」
「わ!ひっど!クラスの女子からのお誘いなんだから、クラスの男子が優先だろ~!屋内とは行く機会なんて山ほどあるだろー!別で行け別で!今回は絶対俺だよ!ほら俺って気が利くから、そういうラブな気遣いできるし、結構イケメンだと思うし!」
「へぇーーーそうか~~~」
「…………あのさ、萩生って絶対イケメンレベル高いだろ。基準が絶対宮ノ内先輩」
「え!そんなことはっ!」
「そんなことだろ~。あんなの基準にされたら世の中の男子は困るんだよ!俺だって意外といい線いってるんだからな。っておいマジで驚くな凹むだろ」
なっちは俺よりも少し背が高くて、髪はやや短め。
笑うと八重歯が印象的な奴だ。
一見クールに見えるけど、よく喋るしとっても気さくな奴だった。
「まぁ、いい線いってるのなかぁ~」
「そうだろ。そんなんだぜ~」
「そうだなぁ。確かに玲二とはいつでも行けるし、今回はなっちでもいいかぁ~」
「なっちでもっていうところワザと言ってるだろ!行く行く絶対行く~~」
「はいはい、分かったよ。一応俺もまだ行けるか分からないけど、行けそうだったら一緒に行こうぜ」
「おー!そうこなくっちゃ!よろしくー!」
なっちはこれまた嬉しそうな笑顔で喜んでいて、チャームポイントの八重歯が可愛い。
確かになっちは気が利くし、女子受けも良さそうだ。
玲二とも行きたかったけど、違う日に計画して行けばいいか。
……ってさてさて、篠島に聞く前にまずはあの人に聞いてみないとだなぁ。
あの人とは勿論、俺の彼氏である宮ノ内霧緒だ。
……
えーっと?
もしかして……ハードル高めかなぁ。
ともだちにシェアしよう!