436 / 506
第436話
俺を引き寄せ、首元に鼻先を当てクンクンと匂いを嗅がれ甘噛みされる。
テスト前はエッチしないというきまりが二人の間にはあるから、葛藤している様子がちょっとおかしい。
サラサラとした髪を撫でたり、ぎゅっと抱きしめたり抱きしめ合ったり……それだけでもとっても満たされるから嬉しいけど、テスト勉強しないで、エッチしてもいいなぁ~って勉強嫌いの俺は思ってしまう。
だけどそれを許さないのが宮ノ内霧緒だ。
「………………この続きはテストの後だな。夕食の前に数学の弱いとこやっておくか」
「……ふぁーーい」
エッチは好きなクセに、こういう時の意思は硬いんだもんなぁ。と、ある意味関心してしまう。
キスで高ぶった気持ちを抑えるのも大変なんだぞー!
「そういえば、テスト明けに出掛けたいって?」
「え!あっそう!クラスの奴と皆で出掛けないかって誘われたんだけど!……行ってきてもいいかな?」
「クラスの奴……ね。何人で?」
「う、うん。男女6人くらい、あと後輩もいたりして皆でワイワイがやがやみたいな~~!楽しそうだなって~」
「へぇ……男女でワイワイね……グループデートじゃねーの?それとか下心あったりさ、大丈夫か?」
「下心!……確かにメンバーの子から気になる奴がいて協力してって言われてるけど、俺は全然関係ないし。メンバー皆いい奴らだよ!」
「へぇ…………」
め、目が笑っておりません!
まるで時が止まったみたいに霧緒が微動だにしない。何か思案しているようにあらぬ方を見ている。
お願いするの緊張する。だけど俺だってちゃんと言いたいし、心配なんだろうけど、そういうの信用して貰いたいって思う。
「……俺って……浮気するように見える?」
長い沈黙の後……
「あのな、浮気するなんて思ってねぇよ。そういうんじゃなくて……はぁ…………分かった」
「え、行ってもいい……?」
「行きたいんだろ?顔にかいてある」
「うん!うん!行きたい!」
「どこに行くんだ?」
「デェズニーランド!」
「あぁ……あそこかオッケー。楽しんで来いよ。でもその前に、ちゃんとテスト勉強な」
「お、おう!ありがとう!」
やった!
やったーーっ!!
ともだちにシェアしよう!