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第437話
霧緒の容赦ないテスト勉強は、夕食挟んでしっかり10時まで続いた。
安定のスパルタで、魂が磨り減っている気がする……がくっ……
だけどそのスパルタ家庭教師のおかげで、俺のテストは毎回平均点以上採れてるし、効果は上がってるから有り難いなって思う。
霧緒のおかげで塾に行かなくてすんでいるんだし、感謝しないとだよな。
これなら受験も楽々行けるかも~。なんて思ってみたり。
家に帰ってからすぐに風呂場に向かい、森の香り漂う緑色の湯船に浸かった。
「ぐはぁ~~~」
気持ちが良くておっさんみたいな声が出てしまう。
やっぱり湯船は気持ちいいなぁ~。
身体全体……気持ちも緩んでしまう。
緩みすぎて勉強した内容忘れないようにしないと。
……
お出掛けの件、もっと色々言われると思った。
言い合いになるとか、それか反対されるかもって……。
結構あっさりオッケーが出て嬉しかったのは本当だけど、これって俺のこと信用してくれたってことだよな。
友達と出掛けるだけなんだけど、そういう時の霧緒は厳しい。
相手が誰だとか、どこに行くとか何時に帰るとか、ちゃんと伝えてないと行かせてもらえないし、それに俺も慣れてたのもあるけど、良く考えたら大分過保護だし、玲二は束縛って言ってた。
俺って愛されてる~!って思えばなんてことないんだけどさ。
一年の時は出掛けるって言ったら、玲二とばかりだったから問題なかったけど、二年になって相手が霧緒が知らない奴らだから、ハードルは高いだろうって思ってた。
色々考えていたみたいだけど、
「だっけど、良かったなぁ~~」
そう思うとテンションは上がってくるし、これは早く篠島に連絡しないとって思った。
篠島イイ奴だから一緒に行きたいし、なっちも面白いから楽しくなりそうだ。
ザバっと湯船から上がり、バスタオルで適当に身体を拭く。髪もわしわしと拭いて脱衣場から出た。
自分の部屋に戻ると、スマホ片手にベッドに寝転がる。
お布団最高!ごろごろ最高!
メッセージを確認すると、篠島からきていた。
今日の学食で食べた和風パスタの味が薄かったというのたわいもない感想だった。
困ったワンコのスタンプが添えられていて、なんだか可愛いぞ。
その返信をするついでに、お出掛けの誘いをポチポチと打っていった。
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