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第455話

「俺、一年の篠島っていいます。萩生先輩には色々仲良くさせてもらってて」 「今日、一緒だった?」 「はい!皆でデェズニーランドに行って来ました!」 「そう……デェズニーランドは詩も楽しみにしてたもんな」 「え!う、うんぐ……っ!し、してた!楽しかった!」 話を振られて焦った! フルーツサンドに挟まってたキウイフルーツが喉に詰まりそうになって、まるごとごっくんしてしまった。 「はぁ~……やっぱりカッコいいですね。学園祭の時、女の子たちの黄色い声が凄かったの覚えてます。えっと、宮ノ内……先輩でしたっけ」 篠島がコーラフロートを飲みながら、霧緒の胸についているネームプレートを見て確認する。 「そう」 「……萩生先輩が、宮ノ内先輩が働いてるお店に来るってことは、二人仲良いんですね」 「まぁね」 「ふーん、羨ましいなぁ」 「……」 「じゃ、宮ノ内先輩は当然知ってますよね?萩生先輩の彼女さんのこと」 「っ!」 「……彼女?」 「そう、萩生先輩の彼女。年上で美人らしいんですけど、それ以上先輩教えてくれなくて」 「…………」 ……年上、美人……あってますよね…… 「この後会う予定だからって聞いて、俺も会いたいって言ったんですけど、凄い人見知りだから会わせられないって言われて。」 「人見知り……」 ……人見知り……は無理がありますか?って篠島……お前喋り過ぎじゃないか? 俺に何か恨みでもあるのか? そんなことをそいつに喋ったら、後々大変なことになるんだぞ~! 刺激するな~! 「彼女……ね。こいつに彼女なんかいないぞ」 「え」 ! 無表情にそう呟いた霧緒の声にハッとした。 そっか!いないって霧緒が否定したら説得力あるし、誤魔化せるかも…………っ! ぐ………… そう思った瞬間、霧緒の手が伸びてきて何故か俺の唇に触れてきた。 へ? なんだ、どうしたって数秒間思いながらも、俺を見つめる霧緒から目が離れない。 笑ってる…… 表情がやけに色っぽいし、優しく微笑む霧緒の瞳が俺を見つめていて、なにそれ……超……超…… カッコいいっ!!! 「クリーム……ついてるぞ」 そう言いながら指で俺の唇を拭い、その指先をペロリと舐めたではないか。 な、な、な!!!なーーーーーー!!!! 「ま、そういうところも可愛いんだけどな」 ポンポンと頭を撫でられた気がしたけど、興奮し過ぎて記憶が定かではなかった。

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