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第456話
そういうところも可愛いんだけどな。
そういうところも可愛いんだけどな。
は、はひ……はひ…………
霧緒が……超優しいし甘い……頭ポンポンされた。
カッコ良くて、篠島が隣にいるのに、不覚にもキュンキュンしてしまい、全身がカーっと熱くなって恥ずかしくて、両手で顔を覆い悶える。
「うあぁ……うあぁ……ひぃぃ~~~!」
は、恥ずかしい……!でもカッコいいーっ!俺の彼氏最高~!
だけどだけど!
こんなことしたら篠島に……
「あの、は、萩生せんぱ……」
「こいつをさ、あまり困らせないでくれるか?そういう追究慣れてないから、上手く説明できなくて、ずっとアホな顔になってる」
「え」
俺たちだけに聞こえる声で、霧緒が篠島に囁いた。
「それと、こいつと二人で飯に行くとか無理だから。マジやめてくれよな」
囁く声は無機質でとても冷たい。
「え、なんで……」
「宮ノ内くーん!時間過ぎてるよー。あがってねー」
マスターの明るい声が霧緒にかけられ、ハッとした。
あがる時間、過ぎてたのか。
「じゃあ詩、ちょっと待ってろ」
「う、うん」
そう言い残して、霧緒は店の奥へとさがって行った。
隣に座っている篠島は、状況が分からず霧緒が消えて行った方を目をぱちくりさせながら眺めている。
「あの人コワ……で、色気ヤバ……え、萩生先輩?今のどういうことですか?」
「……」
「彼女いないって、今宮ノ内先輩は言ってたけど……本当ですか?」
「……う、うん。篠島には悪いけど、彼女ってのはいないんだよ。わ、分かるかな……」
「…………彼女っての……は……」
篠島が考えているところに、着替え終わった霧緒がやって来た。
篠島もカッコいいと思うけど、やっぱりこいつには敵わないって思う。
心が……キュってする。
「帰るぞ」
「うん!」
席を立ち、店を出る霧緒の後を追いかける。
「え!あ、待って下さい!俺も帰ります!」
篠島も慌てながら俺たちの後を追いかけ店を出て来た。
「萩生先輩!じゃあここで約束してたのは彼女じゃなくて、宮ノ内先輩だったんですか!?」
「うん……そうだよ」
「なんだぁ~~騙されてたのかよ。俺てっきり年上の彼女が本当にいるんだと思って……たの……に」
「……」
「……ん?……年上……?年上で、美人系……」
篠島がハッとした表情で、俺の隣にいる霧緒の顔を見つめた時だった。
俺は肩を引き寄せられ、霧緒に思い切り抱きしめられてしまう。
「後輩、もうこれ以上ついて来んなよ。家帰ってよく考えろ。分かったか」
「……」
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