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第459話

次の日…… …… あぁ…… うあぁ…… 気が重い。とても重たい。重たすぎる。 俺、昨日何言った?霧緒に何言った? 霧緒の気持ちを無視して酷いことを言ったような…… 霧緒が心配性で過保護なのは知ってるのに、出掛けるの許してくれたのに、つい口が滑ってムカつくことをぶつけてしまった気がする。 朝、目が覚めてベッドの上に仰向けになり、ジッと天井を見つめる俺。 頭の中は、昨日の夜の出来事で頭がいっぱいだった。 あの時霧緒の言ったことに対して、ムカついて文句言って、ダッシュで帰ってきてしまった。 それに俺霧緒に向かって、ちっちゃいとか言った…… うあー!ちっちゃいだって~~!あの霧緒にだぞ? 見た目も中身も、俺より何かよりも良くて、俺には勿体ないようなイイ男に向かって、ちっちゃいって言ってしまった。 身長も心も……あそこだって俺よりデカいのに、そんな奴にちっちゃいだって。 あはは……これはムカツクよな怒ってるよな? お前に言われる筋合いねぇって思われたよな。 謝らないと…… ちゃんと会って、謝らないとだよな。 メッセージで謝罪するより、直接会って言わないと伝わらない気がする。 でも、超気まずい。 起き上がってカーテンの隙間から隣の家の様子をソッと伺った。 霧緒の部屋のカーテンはまだ閉められているから、まだ寝ているんだと思う。 「はぁ……うぅ……霧緒~ごめん……」 一人呟いても何の意味もない。 お昼くらいに家に行ってきちんと謝ろう。 そう考えながら、うんうんうなづきシャワーを浴びる準備をした。 「ばあちゃんおはよう~」 「おはよう。昨日は楽しかった?」 「うん、楽しかったよ。これ、お土産~」 そう言いながら、可愛いキャラクターが描かれているお菓子の箱をばあちゃんに渡した。 中身はクッキーだ。 「あら~可愛いわね!食べるのが勿体ないわ。先に仏さまに上げましょう」 「うん。俺シャワー浴びてくる」 「はーい。朝ごはんできてるからね」 「はーい」 脱衣所で服を脱ぎながら、首筋をチェック。 ……気がつかなかったなぁ。 霧緒がつけたキスマークがほんのりついていたけど、それはもう薄く消えかかっている。 見えるところにはつけるなって言ってあったのに、あいつはもう…… 恥ずかしく思いつつも、これだけ愛されている証拠だし、身体のあちこちに残っていることが嬉しいと思う自分がいるのも確かだ。 そう思うと余計に早くあいつに会ってゴメンって言いたくなった。

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