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第469話
うお……
うおおぉ……
何だこれは。
今俺は、超幸せなひと時を過ごしているのでは!
霧緒の身体にもたれ掛かり、肩を抱かれて頭まで撫でられている。
霧緒の体温と少し汗を含んだ匂いは、俺の心を満たしてくれて、完全にラブラブモードだ。
さっきまでの気まずい雰囲気を一掃してしまったのは、キスと予想外のエッチのおかげ。
短時間エッチだから、物足りないと言われたらそうだけど、その分ハラハラドキドキして興奮してしまった。
こんな限られた時間でも、俺を求めてくれる霧緒にキュンってしたし、熱のこもったキスが、俺の身体を弄る手が指が、とってもやらしくてとってもエロくて嬉しかったんだ。
求める方もだけど、受け入れてキュンキュンしちゃう俺も馬鹿なのか変態なのか。
馬鹿でも変態でも、霧緒に愛してもらえるなら何でもいいやって思ってしまう自分がいた。
だけどマジそんなに見つめられると、恥ずかしくてどうしたらいいか分からないし、呼吸も鼻でするのか口でするのか、わけわかめ状態になってしまう。
嬉しくてたまらないけど、もうちょっと距離感!距離感!
イケメンのドアップは、慣れろと言われても慣れるものじゃないから!
これでもっと楽しい話題ならいいんだけどなぁ~。
会話はとても現実的で、正直かなり温度差があった。
「俺、大丈夫だよ。大丈夫」
「……」
「霧緒が暫くいなくても、平気だから。ちゃんと学んでこいよ?」
「……ん」
「3ヵ月なんて直ぐだし!その先も来年?全然余裕っ!霧緒はさ、安心してやりたいことやればいいんだよ!俺は応援するから!」
「……うん。来年の予定はまだ具体化してないけど、向こうで実際に見て聞いて学んでみたいと思って」
「うん」
「工学的な技術面だけでなく、芸術的な感性面でも深い知識や技術を得るためには日本だけじゃ足りない。イギリスは歴史的な建造物もそうだけど、革新的な建造物が魅力的だから……」
「ほへー」
「……この先、俺がいなくてスゲー寂しい思いさせるかもしれない」
「……大丈夫だって!俺、男だし!」
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