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第7話

ある日の昼休み。 「詩、今日学食行こう」 「いいけど玲二…俺弁当だよ」 「今日の学食ビーフカレーあるから食べたいの」 「はいはい」 授業が終わるなり、俺と玲二は足早に食堂に向かう。 今日の日替わりはビーフカレーらしい。 広い食堂はまだ生徒がまばらでガランとして、なんとも言えないいい香りに包まれてる。 美味しそうなカレーの香りが一番漂う。 「やったねーまだガラガラじゃん!」 「うちのクラスちょっと早めに終わったからね」 玲二は食券を買いに自販機へ。 弁当持ちの俺はそのまま窓際の席に向かう。 校庭が眺めることができて開放感がある。 今日はいい天気だ。 寒さもどんどん和らいできて過ごしやすくなってきている。 こんな日は外で食べてもいいなー。 そんなことを考えているとどんどん食堂に生徒が流れてくる。 ビーフカレーは人気メニューって玲二が言ってたな。 今日は弁当持ってきてるし、今度食べてみようかな。 そう思ってると玲二がトレイを持って向かいに座る。 「「いただきます」」 玲二は美味しそうにカレーを頬張る。 「美味い?」 「美味い。まじ美味い」 「詩、一口やるほれ」 ぱく…もぐもぐ 「…ん…あー本当美味しい。次は俺も頼んでみよ」 「ん、そうしな」 「うん」 「でも詩の弁当も色々入ってて美味そう」 「そう?普通の弁当だよ」 「いや、うまそうだよ。そのメインのでかいハンバーグ手作りだろ?」 「あーまあね」 「ばあちゃんが作ってくれるの?」 「…うん、…まあ俺も少し手伝うけど…もぐもぐ」 「まじか!すごいな詩。女子力高い」 「いや…普通じゃね?」 「もぐもぐ…他のおかずもうまそうだし。それ何??」 「茄子だよ。茄子の煮びたし」 「へー…にび?…僕全然知らないけど」 「普通、普通だって」 「んー普通じゃないでしょ」 「「??」」 急に割り込んできた声。 その方を見ると 宮ノ内先輩が笑って俺の弁当を覗き込んでいた。 きっと玲二も目が点になってただろう。 気が付いたら俺の隣に宮ノ内先輩が立っている。 若干聞こえる控えめな黄色い声とか…この先輩の周囲はなんとも言えない雰囲気になってる。 ご、ご飯に夢中で全然気がつかなかった。 まさか学校で遭遇するとか考えてなかった。 「萩生くんはいつも弁当?」 「え、まあ…はい、大体そうです」 「お弁当作るの大変じゃない?」 「いえ、そんなことはないですよ」 「へー」 たわいもない会話だけどなんだろう… このやんわり笑顔前にも見たような… 女子なら妊娠するだろうエロさを含んだ笑顔が怖い。 さらさらな髪が綺麗だ。 男の俺でもドキドキがまらない。 さすが女子に人気のエロ先輩。 さすがっす! は、早く食べ終わろう。 鼻血が出る前に。 玲二も気持ちは同じみたいで、もくもくと食べている。 「萩生君、これは何?」 「卵焼きです…もぐ」 「これは?」 「もぐもぐ…ポテトサラダ…です」 「これは?」 「もぐもぐ…あすぱらです」 「これはー?」 「…ぱ、パセリ…」 「これ「「トマトー!!」 「…です」 言い終わらないうちに言ってやった。 被せてやりました。 で、食べ終わりましたよやっと。 エロい目をぱちくりしてるけど、絶対意地悪してたでしょこの先輩。 「玲二行こう」 「ん、おう」 弁当を片付けているとスッと何かが目の前に伸びてきた。 それがちょこっと俺の唇を掠める。 見ると… 「ご飯つぶ。…ついてる」

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