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第16話

「ああ、黒髪ロングの?それ緑川先輩じゃない?間違いないよ。ちょう美人だったでしょ?」 「緑川 露子先輩、三年だよ。容姿端麗で頭もいいんだって。あれは男子いちころでしょー」 「宮ノ内先輩と付き合ってるって噂本当なんだー!イチャイチャしてたんでしょー?!やーん私も目撃したかった!」 「凄いプライド高そうだよね。でも美人で可愛くてちょっと憧れちゃうー!やっぱりそういうのが好みなのね宮ノ内先輩は」 「二人一緒だと絵になるよねー。よ、よだれがでるわ」 クラスの女子がハアハア言いながら盛り上がってた。 そっか、緑川先輩っていうのかあの先輩。 「早く気がついてたらな。僕先に行って気がつかなかった」 「気がつかなかいほうがよかったよ。その女の先輩にちょう睨まれたし」 「わーコワイわー!」 あれから二人どうしたんだろう。 抱きしめ合ってキスしてそれから? …色々思うと何か面白くなかった。 「詩…」 隣にいる玲二が心配そうに俺の顔を覗きこむ。 「大人の色気にやられちゃったか?」 「……そうっぽい…」 「鼻血だすなよ」 「うん」 優しくちゃかしてくれる玲二にこっそり感謝した。 うん。 本当大人の色気にやられたんだ。 そういうことにしておいた。

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