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第21話

簡単に作った晩御飯だったけどやたらに先輩に誉められてしまった。 でも喜んで貰えてよかった。 迷惑かけたうえ泊めてもらうんだ、これくらいしないと申し訳ない。 キッチンを片付けていると、 「萩くん、お風呂沸いたから先入ってね。 はいこれお風呂セット」 バスタオルと着替えだ。 「風呂からでたら遊ぼう」 どこから出して来たのかリビングテーブルのうえにはオセロやトランプ、人生ゲームとかバドミントン?が並べられていた。 マジで遊ぶ気だこの先輩。 やたらウキウキしてる先輩が可笑しかった。 有りがたくお風呂いただきました。 湯船うちより広くて気持ちよかったー! 日本人はやっぱり湯船だよね。 入浴剤がいい香りしてリラックスできた。 しかし…先輩のだろうグレーのパジャマはちょっと大きい。 文句は言えない。 似合う似合うって言ってるけど …そんなに笑わなくてもいいんじゃね? 「ズボンの裾は転ぶと危ないから」 先輩に無駄に二回折ってもらったよ。 ついでにバスタオルで頭も拭いてもらいました。 先輩優しいです。 結構世話好きなのかな? 先輩が風呂に入ってる間に、ばあちゃんに連絡をいれた。 スッゴい心配されたり怒られたりしたけど、最後は霧緒君カッコいいわよねー♪ よろしく伝えておいてね。 だって。 はいはい。 風呂上がりの先輩はさらにエロカッコいい仕上がりで女子が見たら鼻血ものなんだろう。 濡れた髪が艶やかで色っぽい。 ただのスウェット着てるのにおしゃれにみえる。 前髪かき分ける仕草…ヤバいですよ。 バスタオルで髪を拭きながらじーっと見てる俺の視線に気がついたのかニヤニヤしながら寄ってくる! 「なになに?」 「ちょちょっ!ストップ!ストップ!先輩…近すぎだからっ!」 俺の肩に腕を回してひっついてくる! 「いいじゃん別に。俺に聞きたいことあるんじゃないの?」 「やややや!ない!ないです!」 「えーつまんない」 先輩からはシャンプーのいい香りがする。 当たり前なんだけど俺が使ったのと同じ。 それからは本当にトランプしたり、人生ゲームしたりリビング全体を使ってバドミントンしたりして遊んだ。 物壊すんじゃないかドキドキしたけど、それがまた緊張感あって面白かった。 おかげで風呂入ったのにまた汗かいたよ! 緊張するかと思ったけどそうでもなくてすごく楽しい時間を過ごしてしまった。 「なんかこういうの久しぶりで楽しい!」 「うん、俺もまさかバドミントンを家の中でやるとは思ってなかったです」 「あはは、だよね!」 明日は休みだから二人で遅くまで遊んでしまった。 いくら楽しくてもやっぱり眠気は襲ってくる。 「ねー…本当にここでいいの?」 「大丈夫です」 「俺のベッド使っていいよ?一緒に寝よーよ」 「結構です。ソファーで十分寝れますから」 枕とかけ布団毛布を先輩が出しながら、なぜか不満そうにしてる。 何その目? リビングのソファはクッションをどかせば全然余裕で寝られるサイズだ。 親御さんの寝室を借りるわけにもいかない。 先輩のベッドを借りるとか無理して泊めてもらっているのにそんな迷惑かけられない。 「ちょう快適でーす!」 ソファにゴロンしながら言う。 「えーじゃぁ俺もここで寝ようかな」 「はぁ?そんなわけわからないこと言わないでちゃんと寝てください」 「えー!萩君酷い寂しい!!」 「はいはい、先輩おやすみなさい。あ、ちゃんと電気消してくださいね」 ぶーたれた態度の先輩に思わず態度のでかいこと言ってしまったけど、そうしないと本当にここで寝ようとしただろうな。 一部の間接照明だけつけて明かりが消える。 先輩が二階に上がる音が聞こえた。 一緒に寝るとか…ドキドキして寝れないだろ! あーでも本当に楽しかった。 まさか先輩とこう仲良くなれるとは思ってなかった。 はじめ近寄りがたい怖い人だと思ったのに、今は全然違う。 カッコよくてこんなに楽しいんだからモテるってわかるなー。 たぶん、彼女さんともこうやって過ごしてるんだろうな。 心のどこかがキュンとしたけど。 襲い来る睡魔によってあっという間にかき消されてしまった。

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