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第22話
かわいい小さい茶色の目と
その上にちょこっと乗っかっている丸い眉。
俺が小学生のころにうちにやってきたその子は
俺の一番の友達だった。
黒くてもふもふの黒柴。
しっぽがロールケーキみたいに丸まっていて。
おしりがとっても可愛い。
寝る時も俺の布団の端に丸くなって
寒い日には布団のなかに入って一緒に寝ていた。
その頃俺の父と母はすでに他界していなかったので、
寂しい気持ちはみんなその子が癒してくれた
両手でぎゅってするともふもふがあったかくて
気持ちいいんだ。
あーもふもふ大好き。
ちょう好き。
ぎゅっぎゅするー。
あったかいよお。
「もっちー…大好き」
ぴく
?
もっちーが動いた。
ん
あれ?
あれれ?
まだ眠い瞼を開けると、
愛しい愛犬の姿はそこになく…
サラサラした…髪の毛?
…
宮ノ内先輩の頭だった。
!!!!!!!?????
ちょっ俺!
先輩の頭抱えてますけど!!!!???
いつの間にかソファから落ち床で寝てたみたい…
そこには俺と向き合うように先輩も転がっていて
っていうか寝てて?
寝ている先輩の頭を俺が抱きかかえるように寝ていて…
俺がひたすらもふもふしてたのは先輩の髪の毛であって、あったかいと思ってたのも先輩で…。
えーっとよくわからないこの状態にあわあわ混乱しつつ、急に恥ずかしくなってしまい。
そっと先輩から離れようとしたら
ぎゅうっと先輩の腕が巻き付いてきた。
先輩の顔は俺の胸に押し付けられていてよくわからない。
「うぁ」
どうしよう!どうしよう!
とくるくる考えていると。
「…すっごい…鼓動…」
えーん!!くつくつ笑ってるよこの人!!
顔を俺の胸に押し当ててる状態だから
動揺しまくってる俺の鼓動は先輩にダダ漏れライブ状態であって
むっちゃ恥ずかしいんですけどーーー!!!
「…はぎくん…あったかい」
スリスリされる。
「あの!あのあの先輩は、ちょっと離れて…」
「嫌」
さらにぎゅうされるかと思ったら先輩が俺に覆いかぶさってきた。
先輩の両腕の間に俺の顔、
近い距離で先輩と目が合う。
まつ毛…長い。
す、すごく…エロを放っております。
先輩の手が俺の髪の毛をなでつけおでこをなでほほに落ちてくる。
耳元の髪をすき、耳のラインにそって流れていく…
うなじから顎のラインを確認するように指先が動く。
こそばゆい恥ずかしい!
「ねぇ、もっちーって…誰?」
…
はい?
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