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第31話

翌日、緑川先輩にハンカチを返しに行った。 クラスの女子からクラスも聞いたし。 玲二に 「僕もついていくっ!」 って言われたけど断った。 やたら心配されて断り切れなくて…結局途中までついてきてくれることになった。 いいやつだな…玲二ありがとう。 三年のクラスに一年生が行くのってあんまりないからじろじろ見られたけど、 呼びだされた緑川先輩は心配そうに気遣ってくれた。 「昨日は大丈夫だった?」 「はい、あの後ちゃんと受診して診てもらったんで大丈夫です」 「そっかーよかったぁ」 「あの、ハンカチとても助かりました。保冷材は保健室に返しておきましたので」 「よかったのにーわざわざありがとうね」 にこっと笑った先輩はとても優しくて、体育館のときの印象とまた違った。 …優しいじゃん。 ちょっとほっとした。 「ふーん…萩生君って…結構可愛いわね。モテるでしょ?」 「え!いやいや!そんなことないですっ!!」 にこにこしながら緑川先輩に髪を触られた。 「私ね、…可愛い子好き…」 なぜか手を握られる。 ?? 「そうだ、萩生君!今度一緒にお茶でもしましょ?」 にっこりあどけない笑顔!見つめられたと思ったら ふわっと抱きしめられてしまった。 ???!! 周囲の三年のお兄さんお姉さんもびっくりしてますけど!! なんなんですかこれ!!

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