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第32話
屋内玲二は三年の教室にあがる階段の下で詩を待っていた。
大丈夫かな?大丈夫かな?嫌がらせ行為受けてないかな?
緑川先輩、詩はそんなに気にしてない感じだったけど、僕からみたらただモノじゃない!
直感だけど!!僕の直感は当たるのだ!!
しばらくすると上から知ってる先輩が降りてきた。
あれ?あの背の高い先輩って…確か宮ノ内先輩と仲がいい…
「あ、あのっ!!」
思い切って声をかける。
「ん?俺??」
わー…宮ノ内先輩より背高そう!この先輩もモテそうだなー。
柔らかそうな黒髪に黒目…優しそうな雰囲気がある。
実は背の高い人ちょっと僕苦手なんだよねーとか思いつつ…
「はい!あのっ!!僕、萩生詩の友達の屋内玲二って言うんですけどっ」
「えっと…あー、食堂で一緒にいた?」
「はい!そうです!」
「はいはいどしたのかな?あー俺ね、菊池宗太っていうの」
「菊池先輩!…詩を上の階で見ませんでした?」
「???上って三年の階で?…霧緒にでも会いにいった?」
心配だった玲二は菊池に一部始終を簡単に説明した。
「…おっけーちょっと上行って様子見てくるからね」
「すみません!」
「はーい!」
菊池先輩は手をひらひらさせて階段を上がって行った。
ああ、先輩に会えてよかったー。
菊池先輩お願いします!!!
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