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第50話
「…はぁ…はぁ…はぁ…は…」
あああ…先輩の口でイってしまった。
先輩は俺のすべてを吸い終わると
それをゴクリと飲み干す。
「!!!わああぁ!!何やって!!」
「…やっぱりあんまり美味しくないね」
「だだからっ!!!そんなの飲んじゃだめだって!!」
恥ずかしさでどうにかなりそうだ。
「…でも詩のなら飲めるよ」
優しい笑顔でふわりとおでこにキスされる。
あああもうっ
くそカッコいい…!
下着やズボンを履かせベルトまでしてくれほぼ腰抜かした俺を抱きしめるように立たせてくれた。
もう気持ちも身体もふらふらですよ。
「詩がぎゅーしてとか言うから、可愛すぎでつい夢中になっちゃった」
「!」
「さっきの話…聞いてた。…嬉しくて死ぬかと思った」
「え?さっきの話?」
「うん、緑川とのやりとり。ゴメン…叩かれる前にとめることが出来なくて…」
「いや、…それは先輩が謝ることじゃないから」
「………詩…あれ…もう一回言って欲しいんだけど」
「え?…あれって…何を」
「…ちゃんと思い出して?俺のこと…話してただろ?」
先輩はやたら嬉しそうだ。
…えーと?えーと?何言ったっけ…
…
あ"
「…俺は好きだよ…宮ノ内先輩の事」
これでしょうか…
あぎゃー!聞かれてたーー!
「…俺は好きだよ…宮ノ内先輩の事」
あれを再び…しかも本人目の前で言えってか!!
い、言えるわけないだろーー!!
考えただけで顔から火がでる!
よほど嬉しかったのか先輩はとてもご機嫌だ。
両腕を俺の腰に回し抱きしめる形で俺の言葉を待っている。
「詩…まだ?」
首もとに顔をすりすりする先輩が可愛すぎなんだけど、恥ずかしくて言えない!
「…あ、ああいう大事なことは…簡単に…言えない…ですっ!」
「…」
「…」
「…大事なこと…それちゃんとわかって言ってるの?」
「?」
「…あはは、まいいや」
先輩はニヤニヤ笑ってだけど何か?諦めてくれたみたいでほっとした。
「帰ろう、詩。その顔じゃ、教室戻れないだろ?友達に荷物持ってきてもらおう。えーーと…」
「玲二のこと?」
「そうそうその子!菊池と連絡とってるはずだから…緑川のこと教えてくれたのも玲二くんだよ。居場所の特定は菊池だけどね」
そっか玲二には心配かけちゃったな…ちゃんと謝って説明しよう。菊池先輩にも迷惑かけてしまった。
宮ノ内先輩が近くにいてくれて嬉しい。
離れていた間どんなに寂しかったか…
「宮ノ内先輩…」
「ん?」
「あの時…突き飛ばして…ごめんなさい」
「…」
「先輩の事が嫌とかそんなんじゃなくて…ただびっくりして…心の整理処理しきれなくて…」
「うん、もう大丈夫…気にするな。むしろ謝るの俺の方…お互い様ってことで」
笑う先輩に心がキュンとした。
また抱きしめられ、髪を優しく撫でられる。
先輩の匂いに包まれる。
ガララ!!!
「詩ーーーーーー!!大丈夫かっ!!?」
玲二が勢いよくドアを開けた。
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