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第71話
宗太
前を歩いてイチャついてる(ように見える)霧緒と萩生を眺めながら俺の隣にいる屋内が呟く。
「…宮ノ内先輩ってあんな感じの人なんですね。大分初めの頃とイメージが変わりました」
「なんかねー萩生と一緒にいるとあいつ…あんな感じになって面白いよね。実は俺も大分新鮮で楽しい」
「詩のこと本当大事に思ってるんだなって露骨にわかって…同じく楽しいです。詩も迷惑そうにしながらも嬉しそうだし…でも確かに先輩二人は目立つから僕らの教室来るとちょっと…」
「えー!迷惑!?」
「ややや!そうじゃないんだけど!ちょっと緊張しちゃうし!女子が騒ぐからっ!」
焦る屋内だけど、そう俺たちのこと目立つとか言ってるけど君たちも十分目立ってるよって思う。
際立って美少年!とかじゃないけど…霧緒が前に学食で詩を見つけたように、不思議とこの二人は目を惹く。
すらっとした細身の体型のせいか?
女子が君たちのこと可愛いって噂してたのも聞いたことあるんだよー。
まぁ、カッコいいよりは可愛いのかな。
「屋内さー身長いくつよ?」
「え?僕?170と言いたいけど168㎝…です」
「おーそっか!じゃぁ萩生も同じくらいか」
「詩は170㎝。並ぶとね、詩の方がちょっと高い」
「ふーん」
改めて並んで歩く少年を眺めた。
屋内は髪の毛が長めで左目が前髪で隠れている。
ゲーム好きのせい?なのかいつも眠そうな目をしている。
夏服から伸びる細い腕は日焼けをあまりしてなくて白い。
「屋内はさーインドア派っぽいよね。肌白いし」
「え?あーそうかも…ゲームばかりしてるし。僕運動苦手だし…」
「へー…中学の時は何か部活動してた?」
「………管弦楽部でした」
「!えマジ?楽器出来るの?ピアノとか…」
「あーえー…と、はい少し…」
「うち、管弦楽部あるけど、やらないの?」
「はい、高校ではやらないって決めてるんで」
「そーなんだー」
おおー!彼の意外な一面を発見。
屋内は眠そうな目をさらにしょぼつかせていた。
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