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第72話
玲二
あー!
メロンソーダは美味しい!
僕の舌が緑色になってもいいんだ。
飯も食べ終わって今は勉強会中。ってあとテストは1日だけだし勉強会って言っても緩い感じの。
僕の目の前に詩、その隣に宮ノ内先輩、僕の隣には菊池先輩が座ってる。
先輩二人はあんまり勉強してる感じはしないけど、抑えるところだけ確認してやってるみたい。
詩は宮ノ内先輩にここやれあそこやれって言われてやってる。
的確にポイント抑えてて俺も参考になる。
…
しかしなんだろう。
すごーーーく視線を感じていて落ち着かない。
先輩たちは席を大体ここって決めてるらしく、窓から離れた壁側のソファ席。
「窓側だと外から覗かれて落ち着かない」
らしい…。
ドリンクバーに行くたびにお姉さんや学生にちらちら見られたり覗かれたり…。
用もないのにこっちの通路を通る店員がいたり。先輩は全然慣れてるみたいだけど気になって仕方ない。
「やっと終わった!キリ先輩どう?」
「…お、合ってる合ってる」
「ひゃーい!やった!飲み物おかわり行くから行こう」
「はいはい」
目の前の二人は席を離れ、ドリンクバーへ。
詩もあんまり気にしないタイプだよねー。
「こっち側の席の方が周りがよく見えるから屋内は気になるでしょ」
「あ、はい…ちらちら見られるの慣れてないから」
「あははだよねー。そのうち慣れる慣れる」
「先輩たち凄いですね。いつもこんな感じですか?」
「今日は萩生と屋内もいるから余計にだよ」
「はぁ?僕たち?」
「うんうん」
菊池先輩はにやにや笑ってるけどよくわからない。
なんで?
「じゃあさ…屋内ちょっといい?」
「はい?」
すると横にいた菊池先輩の顔が急に近くなる。
先輩の指が伸びてきて、僕の前髪を軽く梳いた。
一瞬だけど両目でちゃんと菊池先輩と目が合った気がする。
!?
わわわ!
菊池先輩は、僕の肩に顎をのせた状態で…静止。
僕の頬と先輩の頬がくっつくくらい近いっ!
体温が伝わる。
はたから見たら先輩が僕に甘えてるみたいな状態だ…。
すると周りの一部の席からきゃー!って悲鳴が聞こえる。
???何?
「くくく…面白っ」
「なな?なにせんぱ」
「ホモ好き女子にサービスしたの」
「!!ホ」
「…そういう視点で俺たちの事見てる人もいるらしいよ」
「な、なるほど」
もう菊池先輩は僕から離れて笑っている。
迂闊にもドキドキしてしまった。
あーびっくりした。
菊池先輩からはいい匂いがした。
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