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第83話 屋内くん。
屋内玲二
***
こんにちは。
またお邪魔します、屋内玲二です。
テストも終わって、今は開放感でいっぱいです。
テスト最終日、特に友達の詩は超ご機嫌ルンルンで、宮ノ内先輩と帰って行きました。
あの二人、傍から見たら普通に仲の良い先輩後輩だけど、実は恋人同士って…不思議だよね。
仲良くて、見てると面白い。
一度大きく伸びをする。
んー!
僕も大好きなゲームを再開できて嬉しい!
勉強をちゃんとやっていればゲームやってもいいって許可が出てるから、勉強は毎日きちんとやっている。
自分のやりたいこと、ゲームの為に。
家で勉強したその後は趣味の時間だ!
深夜までレベル上げしてるから、どうしても日中は眠い…。
朝方の狩りは空いててプレイしやすいんだよね。
あ、菊池先輩のキャラレベル上がってる…
いつの間に…
最近は菊池先輩とゲームの中で遊んだりしてる。
菊池先輩と同じゲームプレイしてるのがわかって直ぐに友達登録したんだ。
プレイ時間とかレベルは僕の方が断然上なんだけど、一緒にアイテム探したりレベル上げをしたりしている。
ゲームではほぼ毎日交流があるけど……
最近学校で会ってないなー。
「あれ、屋内まだ帰らないの?」
「あーこのプリント先生に提出しないとだから、職員室寄ってく」
「そっか、じゃーまた明日!」
「ばいばい」
クラスメイトと別れ、一人職員室へ向かう。
その時、
「え?あれ…!?ねぇ君って…屋内くんじゃない?」
「ん?」
振り向くと知らない生徒に声をかけられた。
…えっと…
だ、だれだ??
「俺!二年の逢沢利久 って言うんだけど。君、央咲中の管弦楽部にいたよね?」
「え、はい。いました」
「やっぱり!俺去年のコンクールで屋内くんの学校の演奏聞いたことあるんだ」
「ま、マジですか!」
「うん!俺がいた中学も参加してたんだけどその時に…ソロ弾いてただろ?凄く綺麗な音だす子がいるから覚えてて。あの時金賞もらってたよね!そっか~ここの学校入学したんだ…」
よく見たら逢沢先輩の背中には、バイオリンのケース。
「逢沢先輩もバイオリンなんですね」
「あ、そうなんだ!…あれ?屋内くん管弦楽部入らないの?」
「…はい、入ってないです」
「え!!え!!なんで?入りなよ!もったいない!!」
「…すみません。俺高校は、部活動しないことに決めていて…」
「えー!そうなんだ…あんなにいい演奏できるのに…」
「…すみません」
「気が向いたらいつでもおいで?一緒にやりたいなー!いや…でもマジ同じ学校で…嬉しいな」
逢沢先輩はすごく嬉しそうに笑っていた。
優しそうな先輩だぁ。
僕よりちょっと身長は高いかな。
「あ、ヤベ俺もう行かないと!じゃ、屋内くんまた話そうぜ!!じゃぁ!!」
ぶんぶん手を振りながら逢沢先輩は行ってしまった。
…僕の演奏聞いてたんだ…。
中学での部活動は忙しかったけど、とても楽しい経験だったからそう言ってもられると嬉しいな!
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