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第85話

玲二 『ゲームしてると脳ミソ腐るぞ』 『くだらねぇことしてねぇで練習しろよ』 って、クソな弟に言われても何も響かない。 友達に言われると………結構傷つく。 菊池先輩に迷惑かけてしまったな…。 励ましてくれた言葉が嬉しくて、気がついたら泣いてしまった。 教室に戻ると、 「え!玲二どうした?目が赤い!」 僕の顔を見た詩が、慌てて駆け寄ってきてくれた。 詩の柔らかそうな髪はサラッとしていて、くりりとした丸い瞳が可愛いらしい。 日焼けをあまりしていない健康的な肌は綺麗で、彼の爽やかさを引き立てている。 んー大好き。 「んー何でもないよ。菊池先輩とちょっと話してたら、涙出ちゃって」 「な、何だって!?どういうこと!」 「あ、菊池先輩は全然悪くないから!逆に励まされちゃったって何か嬉しくて…」 「そうなんだ。玲二よ、何があったのかこの詩くんに話してみなさい」 両手で肩をポンポン叩かれた。 詩のこういうリアクション…好きだなー。 「もう授業始まるから…じゃ後で話す」 「おうよ」 放課後、詩に一通り学食であった出来事を説明した。 「ふーん、そんなことがあったのか。玲二バイオリン出来るんだ!凄いな!バイオリンって…一番小さいやつ……であってる?」 「あってるよ。詩に言ってなかったよね。僕んちの母さん、バイオリンの先生でさ。小さい頃からバイオリン習ってたんだ。弟と一緒に……今でも家では弾いてるけど……」 「うん」 「弟はめっちゃ音楽好きなんだけど、俺はそこまでのめり込めなくて。とにかくゲームの方が好きでさ!」 「クラスの自己紹介のとき…趣味はゲームですっ!て玲二言ってたもんね。あ、菊池先輩も好きだよねゲーム」 「うん、よく一緒に遊んでる」 「二人とも頭良いのに、ゲームも出来て羨ましいな」 「ゲームも出来てって…簡単だから詩もやれば良いじゃん」 「俺はそれが続かないの。ゲームやったことあるけどすぐ死ぬし。出られないし、何したらいいかわからないし?向かないんだと思う…」 「……出られなくなった?」 どこから?何のゲームだろ?って凄い気になったけど、何のゲームか聞くのはやめておいた。きっと覚えてないだろう。 「うん、まぁそれは置いといて!もしかしたらその中学の時の友達もさ、もっと玲二と一緒に音楽続けたくてついそう言ったのかもしれないよ?玲二の弾くバイオリンが好きだったのかも」 「そうかな」 「きっとそうだよ!好きなことって人それぞれじゃん!玲二は玲二で気にしないで好きなことやって良いんじゃない?本当にゲームが大好きなんだからさ!」

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