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第96話
玲二
「ふーん…」
「ふーんって、なんだよ類。お前さっきの菊池先輩に対する態度!本当に失礼だぞ」
類は僕の隣に座り、菊池先輩が置いていった未開封のペットボトルを開けて飲み始めた。
「ふぅ……まぁまぁかな」
「まぁまぁって?お前それ好きじゃん」
うちら兄弟は揃って炭酸飲料が好き。
グレープのやつとかオレンジのとかメロンソーダが大好きだ。
「あ…まぁまぁって、菊っちのこと」
「き、菊っち!って!」
「なんちゃってね!兄ちゃんには丁度いいんじゃね?鈍感な兄ちゃんにピッタリかもよ?カッコいいし!」
「ピッタリって…なんだよ」
「…んなこと自分で考えろよ。学校行くんだろ明日」
「あ、うん……行く」
「……ったく、この3日間散々凹んでたのに何なんだろうね!もっと菊っちがさー早めに対応してれば学校休まないで済んだんじゃねーの?」
「き、菊池先輩は関係ねえだろ…」
「そう思うとなんかイライラしてくんな」
「あ、そうだ!詩に連絡しないと」
菊池先輩にも詩にも心配かけてしまった。
あんなに悔しくて沈んでいた気持ちが今は軽くなっていた。
沢山泣いたからかな?
菊池先輩の前だと素直に泣けてしまう自分がいる。
あぁ恥ずかしい。
は、恥ずかしいといえば…
菊池先輩と…キス…したんだった。
な、何回かしてしまった気が。
あれは一体どういうキスだったんだろ…慰めてくれたのか?
元気だせよ!みたいな?いやキスって第一そんな時にするっけ?
わ、わからない。類に聞いたら絶対おかしな事になるから聞けないし。
逢沢先輩にされたのと、全然違った。
あれはもう思い出したくもない。
だけど菊池先輩に抱きしめられているだけで、心が落ち着いた。
本当不思議だ…
今夜はちゃんとログインしよう。
クエストとかやることがたまっているはず。
先輩のレベル上げも手伝ってあげないと!
うん!
元気が出てきた!!
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