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第97話 屋内くんおわり。
次の日からきちんと学校へ行った。
昨日詩に連絡して、心配かけたことも誤った。
沢山びっくりしていて逢沢先輩に対して凄い怒ってた…
「玲二の家に行けないならうちに来い!」
って言われて今度詩の家に泊まりに行くことになった。有り難う詩!喜んで行くよー!楽しみだ!
例のあの人…逢沢先輩はあれから全く交流なし。
一度ばったり校内で遭遇したけど、めっちゃ避けられた。ダッシュで逃げて行ったよ。
菊池先輩が知ってそうだったから聞いてみたんだけど、笑いながらヤキ入れたから近づいて来ないよって言ってた。ヤキとは何?なんだか恐くて聞けなかった。
菊池先輩とは最近タイミングが合うのか、よく二人で一緒に帰ることが増えた。
ゲームで冒険するのも楽しいけど、二人一緒にいるほうが嬉しいかな。
まだ先輩の身長には慣れてないんだけど、頑張って僕が身長伸ばせば良いんだ。
そしたら身長差が無くなるかもしれない!
「えー屋内が俺と同じ身長に?今のままでいいよ」
って言われてしまった。
確かに菊池先輩サイズの僕って想像つかないけど…頑張って170㎝以上にはしたい。
それと、
今までと少し変わったこと…がある。
最近楽しみな下校の時間。
今までなかった二人の小さな一時。
「ん…」
菊池先輩の唇と、僕の唇が重なる。
…チュ
先輩の唇はあったかくて柔らかくて、胸がドキドキしてしまう。
するタイミングはまちまちだけど、ほとんどが学校。
初めは触れるだけのキスだったのに、最近はちょっと大人な感じのに変わってきてる?ような。
このキスの意味をさすがに鈍感と呼ばれてる僕でも自覚する訳で。
たぶんあってると思うんだけど。
「ん……あ、あの……先輩」
人気のない教室はとても蒸し暑い。
汗ばむ陽気だけど、先輩に抱きしめられると胸が幸せで満たされる。
唇が濡れ、先輩の舌が僕の舌に触れる。
漏れでるお互いの吐息が甘い気がした。
名残惜しく唇が離れると、僕の前髪を優しく後ろに流してくれる。
「…あの…あの……」
「ん?」
「先輩、キス…好きですか?」
「…うん、まぁ好きだよ」
「僕…なんか先輩のこと、好きみたいなんですけど」
「…うん……急に来たね」
「すみません」
「別にいいよ。嬉しいから」
「嬉しいですか?」
「好きな子にそう言って貰えるんだから、最高嬉しいです」
「…」
「…聞いてる?」
「はい、僕も嬉しいです」
先輩僕のこと好きだったんだ…って思ったら急に恥ずかしくなってきた。
「…そんな表情もできるんだね。屋内さん」
「え」
「今照れてるでしょ?顔赤いよ」
!!
「そういう気持ちになってくれて嬉しい。自分の気持ちには正直でいないと駄目だよね……本当」
先輩は僕の手を握りながら、天井を見上げ大きく溜息をついた。
「?」
「俺も自分の気持ちに正直に素直になるよ。だから屋内は責任とってね?」
「…」
「…返事は?」
「は、はい!!」
何だかよくわからないけど、飛び切りの笑顔の菊池先輩に強く抱きしめられた。
その笑顔が胸にどストライクで!!
うわあああ!!!経験値幸せMax!!!
今の僕は誰にも負ける気がしなかった!
*屋内くんストーリーおしまい*
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