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第102話
緑川露子先輩が優雅に珈琲を飲んでらっしゃった!
「み、緑川先輩……」
「詩くん、お久しぶり!」
相変わらず綺麗な黒髪で、笑顔が可愛い。
「ねぇ~さっき体育館側の踊り場……いたでしょう?」
そう冷たく霧緒に言い放った。
!!!えー!!!
ななな!!!
「ヤるならさぁ、もう少し場を選んで欲しいわ」
!!!!!
「黒いオーラダダ漏れですぐわかったわよ。怪奇現象よりタチ悪いからやめてくれる?」
「あーはいはい。前向きに善処します」
「ふん……詩くんが可愛いそう。ねぇ詩くんは大丈夫?」
「え!お、俺?!!」
「詩くんが幸せならいいんだけど。この男に酷いことされたら、いつでも私のところに来ていいから?ね?」
周りには聞こえないように喋っているけれど、霧緒と俺に対しての声のトーンが明らかに違って躊躇う。
「それと緑川先輩じゃなくて露子ちゃんでいいから!」
にっこりとびきりの笑顔…!
それに対し黒オーラを放つ無表情の霧緒にブリザードの視線を送ると、緑川先輩は席を離れた。
あの女子は緑川先輩だったのかぁ~
はしたないとこは直す気はないらしい。
ドキドキしたー!!
「うるさい女」
霧緒がぼそっと言い放つ。
「で、でも緑川先輩のおかげで回避できたんだからさー」
「回避できてもできなくても俺はいいけどね」
「ちょっとは露子ちゃんに感謝しろよー」
「…へぇ…」
「?」
「露子ちゃん…って呼んじゃうんだ?」
「…え?」
目の前にいる霧緒から消えかかっていたどす黒いものがまた噴出してる気がして…なんでしょう?
霧緒の笑顔が…怖い。こんな笑顔…前にも見たような…
自分の身に危険を感じたのであります。
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