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第103話
地雷を踏んだことに、後から気がついても遅いのです。
「キリ先輩、怒ってる?」
「怒ってないよ」
…いや…
それは嘘だー。
霧緒の笑顔が不自然だ。
えー絶対怒ってる根に持ってる。
つい緑川先輩のことを名前呼びしてしまった。
良く考えたら俺、霧緒のこと名前で呼ぶのに凄い抵抗したからなぁ。
だってさ、好きな人のこと急に名前で呼ぶって凄く恥ずかしいじゃん?
今は慣れたけど、あの時は超恥ずかしかったんだからな。
「じゃ、また帰りな?」
「お、おう……」
昼休みがもう終わるので、霧緒と別れた。
放課後。今日も霧緒はうちの家にお泊まりだ。
霧緒のお母さんの友子さんと、恋人の汐里さんは明後日帰ることになったらしい。
何か予定が延びたんだって。
霧緒はここ数日、俺の部屋で寝ている。
自宅には一日一度帰るけど、二人がいる宮ノ内家ではどうしても寝たくないらしい。
霧緒の布団は勿論用意してあるんだけど、結局俺のベッドで二人で抱き合って寝てる。
暑いんだけど、これって凄く幸せー。
霧緒が近くにいるだけで落ち着くし嬉しい。
毎日寝顔が見れるって贅沢じゃん!
ちなみに毎日エッチしてる訳じゃないよ!
昨日はしてないよ!
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