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第113話

モブ え、 ……この俺が2番。 予備校の実力テストで、どんな奴に負けたかと思ったら、凄くイイ男だった。 ヤバいくらいカッコいい。 宮ノ内霧緒って、日ノ原高の奴らしい。 予備校で同じクラスになったけど、隣に座っているその彼が気になってしまい、あまり授業に集中できなかった。 ノートには最低限のことしか書かないし、ちょっと話しかけてみたら的確な答えが返ってくる。 無表情で何を考えているか分かりにくいけど、無駄なところがなくて気に入ってしまった。 彼と同じ学校の奴等にそいつは有名人らしくや、たら話しかけられて本人は面倒くさそうにしていた。 だから隣の席の俺がやんわりと注意する。 レベルの低いお前らが話しかけてどうするよ。 それからは予備校に来るのが楽しみになった。 やはり彼はモテるみたいで、女子から男子からも良く声をかけられていた。 でも本当に無関心で対応が素っ気ない。 「宮ノ内、モテるのな」 「……は?別に」 それだけの会話しかしてないのに、ドキドキした。 お節介だと思いつつ、彼の隣で彼に無駄に話しかけて来る奴らから宮ノ内を守った。 ちらちら覗き見る彼の横顔は、整っていて綺麗だ。 カッコいいし、色っぽい。 これで頭もイイなんて最高じゃん。 ……羨ましいな。 その日、予備校での宮ノ内はかなり体調が悪そうだった。 無理やり彼の鞄を持ち、心配だから送ると言ってついていった。 たまによろめく彼の腕に触れたり近くにいることが出来て嬉しい。 弱っている彼も、不謹慎だけど魅力的に見えた。 少しでもいいから、もっと俺のこと見てくれないかな。そんな謎の欲が出てくる。 どうやら彼は他人にあまり興味がないらしい。 友達とかいるのか? 暫く歩くと、白を基調としたセンスのよい家の前に着いた。 「ここで…いいから……」 「あ、でも心配だから中まで」 「……ウザイからいいって言ってんだ……ろ」 彼の足下がふらつきよろめいたので咄嗟に抱き抱える。 ふわりと宮ノ内の匂いがしてドキドキする。 「あ、宮ノ内……本当大丈夫か?」 「……いいって」 鞄を渡して玄関へ向かう宮ノ内の背中を眺める。 あーここまでかぁ……残念。 家の中まで行きたかったな。 ん? 人の気配がしてその方を向くと、そこには男子が立っていた。 中学生?宮ノ内の後ろ姿をじーっと見つめている。 なんだぁ?宮ノ内のストーカーか? 予備校の前にもそういえば待ってる子がいたな。 女子だったけど、目の前にいるのは男子だ。ちょっと可愛い。 「おい君だれ。何?」 「あの……えーと」 「はぁー君あんまりさ、宮ノ内の周りうろうろしないでくれるかな?彼は今勉強で忙しいし、スッゴい迷惑なんだよね?」 「え」 「もしかして君、予備校からつけて来たとか?何ファンなの?」 「いや、そんなんじゃ。キ……宮ノ内先輩、帰って来たのかなぁって……」 「だったら何?君は宮ノ内の後輩か?帰ってきたら何なの?ふん……彼は俺がちゃんと送ったから。ほらほら!もう帰りなよ」 「あの、貴方は誰ですか」 「君に答える必要ないよね?」 「そう……ですよね」 そう言うと、宮ノ内の追っかけは走り去って行った。 はーやれやれ。宮ノ内も大変だな。 学校でも毎日こんな感じなんだろうか。 俺が近くにいて、彼を守ってやりたい。 さて、俺も帰ろう。 今日は宮ノ内に触れてしまった。 彼とはレベルの高い会話ができて凄く嬉しいし、充実した気持ちになる。 もっともっと、彼と仲良くなりたい。

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