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第123話

熱は1日で下がったけれど、身体がどうしてもダルく、結局学校を2日間休むことになってしまった。 「んー!身体バキバキーー!」 大きく伸びをすると気持ちがいい! やっぱり元気が一番だよなー!身体が軽い! シャワーを浴びると、さらに気持ちがシャキッとする。 胸や腹、太ももに薄い痣がついていて、ちらちら脳裏に甦るあんなことこんなこと。 は、恥ずかしい! いつの間につけたんだよ全くもう! あわわ……思い出してる場合じゃない!学校遅刻するわ! 外は暑くて強い日差しが降り注いでいる。 「うあっつい!!」 病み上がりの身体にはキツイ暑さだ。 そしてお隣りさんの前で佇む、一人のイケメン男子高校生。 汗は一つもかいていませんな。 「おはよう!家の中で待ってればよかったのに暑くね?」 「はよ……いやここ日陰だし。これでもゆっくり出てきたから」 「あ、そうなの」 「顔色いいし、体調良くなったみたいだな」 霧緒に顔を覗き込まれると、ふわりといい香りがした。 「ん、もうバッチリ元気戻ったんで、安心して下さい」 「そりゃ良かった。これからはちゃんと考えて、二人の時間作るからな」 「!」 「暇な一年生ほっとくと、ヤバいしな。あ、でも夜這いは嬉しいかも……」 「!!!夜這いって!」 「じゃなきゃ、不法侵入で通報?」 「わわわ!夜這いでいいですっ」 「そのおかげで?沢山キスマークがついてるぞ。ほら、あちこちに」 霧緒がちらっとシャツの襟を目繰り上げる……その仕草が色っぽい。 覗く首筋に、うっすらと痣がついていた。 「み、見せなくていいから……」 恥ずかしい。 た、確かにあれはそう言われても仕方ない行動だった。 思い立ったらつい窓からひょひょいと隣のベランダに移り、霧緒の部屋に侵入したのだ。 ベッドでスヤスヤ眠る霧緒を眺めていたら、ついつい自分も寝てしまい、本当は無理やりたたき起こしてやろうと思っていたのに。 霧緒の寝顔を見たら安心して睡魔に襲われて俺もスヤスヤしてしまった。 「いや、もうあんな行動致しません。あの時はちょっと考えすぎて頭おかしくなってたから。あははあはは」 「ふーん、でも詩のことだからまたしそう。寂しくなったらいつでも俺のとこ、おいで?」 「またしそうってなんだよ!もうしねぇ……」 「あ、俺も今度夜這いしたいから、窓ちゃんと開けておけよ?」 「!!霧緒!エロスマイルやめて!」 やめてと叫びつついつもの霧緒が戻った気がして、あはは!嬉しいや! 登校中なので、お互い程よい距離で歩いている。 できるならくっつきたいし、手とか繋ぎたい。 学校に近づくにつれて、周囲からの視線も多くなる。 霧緒と一緒にいる俺への興味はもう落ち着いたけれど、やっぱり霧緒は目立つもんな。 学校につくと霧緒からキリ先輩に変わる。 「じゃ、キリ先輩!」 「ん」 玄関が違うので、校門入ってすぐ別々に分かれてしまった。 ちょっと寂しいけど仕方ない。 って昼にまた会うじゃーん! 「萩生おはよー」 「おー!おっはよう!」

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