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第125話
ゆっぺ
あるとき事件が起こった。
なんと!
萩生とあの三年の宮ノ内先輩が急接近したのだ!!!!
じ、事件です!
「宮ノ内先輩って、普通に男も抱いてそうだよね」
「う、うん……エロいよな」
「めっちゃエッチうまそう~」
「萩生、食われるよね」
「もしかして!もう食われたとか!」
「萩生が攻め?」
「「「ないないないない」」」
学校一のイケメンと噂されている宮ノ内先輩。
俺もちらっと見たことあるけど、すげーカッコ良かった。
でも何か雰囲気があって近づけない。
えーちょっとコワイ感じあるけど、萩生マジで仲良いの?
しばらく色んな噂が飛び交っていたんだけど、やっぱり萩生と宮ノ内先輩は仲が良いらしい。
後から聞いたけど、実は家が隣同士らしい。
なるほど隣同士ね。美味しいシチュエーションだ。
うむ……
「屋内から萩生を奪った宮ノ内先輩…」
最強だな。
実際のとこ、本当に仲いいのかな?
「ゆっぺは本当ホモ好きだよなー。詩のこと好きなの?」
「は?そんなんじゃねーよ。俺はホモじゃねーし!ホモが好きなだけ」
「ふーん、じゃあ例えば、BL世界ならお前は受なの?攻なの?」
「俺?そりゃ攻だろー!男だしな!」
「へぇ…ゆっぺは攻か!面白いな!つかホモはみんな男だろ」
そんな突っ込みをなっちから受けていると……
「あ!あ!ちょっとなっちなっち!待て宮ノ内先輩発見!」
俺たちの目の前を、噂の宮ノ内先輩が通った。
なっちのシャツをぐいと引き、急いで物陰に隠れる。
「急に引っ張るなよ。つか隠れる意味あるか?」
「ある。こそこそしてる方が興奮する」
「え、そうなの?ゆっぺってそういう趣味あるのか。なるほど……メモメモ」
なっちが謎のメモをしてるけど、あーこれはマジカッコいい。先輩の髪がサラサラと靡いている。
「なっち……宮ノ内先輩、マジでイケメンだぞ。誰かと待ち合わせかな?」
「そりゃそうでしょ。俺学食で結構先輩を見かけるけど、大体女子がとりまきしてるから。その時点で本物よ。それだけ人気なんだよ。あと一緒にいる菊池って先輩もイケメンだぜ?って……腕痛いから離せよ」
「うむ……確かに通りすぎる奴らは皆、宮ノ内先輩を眺めて通りすぎてるな~。そしてその視線を全く気にしない宮ノ内先輩がすげー」
「だから離せってゆっぺ!くそっいい加減にしないと……ちんこ揉むぞ~この野郎」
「うわ!やめろよ!隠れてる意味なくなるだろっ!くすぐったいから!あ……う…っ!」
「あっらー?ねね?ゆっぺもしかして今……感 じちゃった?」
「ななな、なわけないだろ!!!」
ベシィ!!!!
恥ずかしくて、ついなっちのわき腹を強めに叩いてしまった。
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