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第138話

モブ ぺこりと宮ノ内の彼女にお辞儀をされた。 「俺の恋人、可愛いだろ」 キスをされて真っ赤になった彼女はやはり宮ノ内の恋人で、恥ずかしいのかずっとうつ向いたままだ。 女の子らしくて、確かに可愛い。 宮ノ内が好きになるのがわかった気がした。 雰囲気からして、おそらく育ちのいいお嬢さんなんだろう。 「本当に可愛いな。こんな可愛い子遅くまで待たせちゃダメじゃないか宮ノ内」 「ん、そうだな。ごめんな?」 彼女の頭をよしよしする宮ノ内の姿は意外で、何とも言えない。 多分彼女にしかしない行動なんだろう。 やたら彼女にベタベタして、マジでクールなイメージがどこか行ってしまった。 ま、惚れた相手にはそんなもんなのかな。 さっきまでモヤモヤしてた自分の気持ちも消えていた。 「じゃあな宮ノ内!また!」 「じゃあな」 寄り添いながら立ち去る二人を見守っていた。 俺も家に向かって歩き出す。 フラれたと言えばそうだし、失恋したのかもしれない。 帰りながら自分の気持ちを分析する。 彼女に対する宮ノ内のあの態度は意外で少しショックだった。 ショックというよりは、がっかりしたのかもしれない。 恋愛の経験がほとんどない俺には理解し難い。 美しくカッコ良く、常に誰に対してもクールな態度でいる宮ノ内に惹かれたのだ。 周囲とは違う、特別な彼の魅力に憧れていたのかもしれない。 「ふん……彼も普通の人間だ」 次回の講義はいつも通り集中出来る気がした。 帰ったら今日抜けた分の復習でもしよう。

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