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第142話 身体を洗って。*

霧緒 せっかく楽しくセックス出来るかと思っていたら、詩がキレた。 滅多に見れないしてもらえない貴重な詩の女装姿。 それが好きな奴なら興奮するに決まってる。 親の制服の事とかどうでもいいし。 予備校の俺の隣の席の奴、どうやら見た目で人を判断するらしく、見て気に入らない奴は露骨にイヤな顔をする。 効果的に恋人を紹介するなら上品なお嬢様タイプがいいだろうと思いあの制服を選んだだけ。 イヤだイヤだ言うけど、勢いで押せば詩もノるだろうと思ったら、舌を噛まれてしまった。 理解出来ないところで頑固さを発揮するところがまた可愛い。 噛まれたとこイテェ…… でも噛んだのが詩と思ったら嬉しくなる。 あはは……俺ヤバい。 でもその制服のお陰で、身体を洗ってイイという権利を貰えた! あんなに嫌がっていたのにさ。 女装プレイは残念だけど、本当にキレてたから潔く引いて切り替えた。 挑発的に綺麗に洗ってと恋人におねだりされたんだ。 そりゃ答えてあげなくては。 全身隅から隅まで洗ってあげたい。 ボディーソープを手に取り泡立てて背中から丁寧に洗っていく。 詩の色っぽいうなじが好きだ。 細い首を撫でながらそう思う。 「う……ひゃひゃひゃひゃ」 薄い肩を震わせ、色気のない声が浴室に響く。 背中から脇腹に指を滑らせると、 「い、いひいひひひ…ひ…」 「……詩、うるさい」 頭をぱこんと殴る。 「だ、だって、くすぐったいいひひひ」 涙を浮かべながら笑いまくる表情は色気の欠片もない。 恋人と全裸でいるのに、ムードはゼロ。完全に気が緩んでる証拠だよな。 俺に対して自然体でいてくれる。そんなところも好きだけど。 そう無邪気に笑っていられるのはここまでだ。 後ろから腹と胸を乳首を撫でる。ぷくりと膨らんでくる胸の突起は泡に隠れて見えない。 「う……んぁ……ちょちょっと」 急に焦りだす詩が分かりやすくて面白い。 「くすぐったい?それとも気持ちいい?」 「……ん…き、気持ち……い」 腕や指先までマッサージするように洗っていく。 隅々まで……綺麗になるように。 「あぅ……霧緒の洗い方……やらしい」 「そりゃぁ、彼氏の身体だもの、やらしく洗うよ。って、詩のここの方がやらしいかな」 ほぼ勃っている詩の下半身を指差す。 そこを人差し指で軽く弾いた。

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