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第151話

進路……将来……将来って何だろう。 「何がしたいのか……まだわからないなぁ」 「誰でもそんなもんだろ。今悩まなくてもいいんだし、この先見つけて行けばいい」 「霧緒がそんなこと言うからだろ…」 「思ったことを言っただけ。10年後の大人になった詩をちょっと想像した」 「はぁ?……10年後」 「そう」 10年後の俺、10年後の霧緒。 霧緒は28歳で俺は今15歳だから25歳か。 あ、 あー!!! ダメだダメだ!!! 大人になった霧緒を想像したら顔がにやけてしまった。 今より絶対カッコいいだろっ!イヤー!! カッコいい… 「詩、顔が変だぞ」 「ダメだ!鼻血がでる」 「エロい想像した?大人になった詩は今よりエロいことしてくれるかな。めっちゃ色っぽいかな」 「阿保かっ!」 ニヤニヤ顔はいつもより柔らかく甘い気がして正直照れる。 「そ、そもそも10年後も俺達…つきあってるか…わからないだろ…」 「へぇ何……その時は俺と別れてるかもしれないって思ってるの?」 「だ、だってお前モテるし……俺なんて捨てられてるかもしれないだろ…」 あまりに相手のレベルが高いと自信がなくなっていく気がして仕方ない。 霧緒がもし居なくなってしまったら、俺はどうなってしまうんだろう。 そんなことをぼんやり考えてしまった。 「おーいあのさ、一人で変な方向に真剣に考えてるみたいだけど」 「……」 「俺がさ、一度お前にフラれてること忘れんなよ」 「う……あれはっ!フったつもりは…」 「執着束縛……上等」 ついっ…と長い指先が俺の顎を撫でた。 さすがにここでキスはないけれど、甘い雰囲気を醸してくる。 「詩…お前が俺に言ったことも…忘れんな」 「ん…うん」 「もっと自信持て。俺が惚れた男だろ…それだけで凄いことなんだから。あーそれか俺だと不満?もっとイイ男じゃないと…満足できない?」 「!んなこと言ってないだろ!」 「もっと甘々に甘やかして欲しい?…あ、それか俺様タイプのドSが好み?」 「ちょっちょ!!何言ってんだよ…き、霧緒で十分…です…」 「…十分?」 「あ、えと…あの…霧緒がィィ…です」 「それってどういうこと詩くン?」 「…え」 「聞いてんだよ。どういうこと」 「ぁ…愛して…ます……」 「…」 「…」 「…俺も愛してる」 にっこり微笑む霧緒。 「びっくりした。好きっていうかと思った」 「!」 「愛してる…なんて言うなんて…詩カッコいい」 優しく頭をポンポンされた。 あわわわわ…照れくさくて…好きで良かったのに愛してるって言ってしまった。 何を言ってんだ何言わせんだよ…馬鹿野郎。 高い展望台で愛の告白してる俺らってなんなのさ。バカップルだろ!そうだろ!! こんなの…特別な日だから言えるんだぞ。 もう顔から火がでるくらい恥ずかしい。 穴があったら入りたい。 でも…愛してるって言われると嬉しい…… 「行こうぜ。腹へったし」 「お、おう」 それから昼飯を食べて下の観光施設を巡った。 沢山の人にちょっと酔ったけど、色々なショップを覗いたり芸能人がいて撮影してたりどれもが新鮮でキラキラしていて楽しかった。 楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。 「足…疲れたわー」 「無駄な動きが多いからじゃないか?」 帰り道、歩きすぎて足が痛い。 でも楽しくて幸せで気持ち的には全然余裕だ。 そして今夜はばあちゃんが霧緒の為にご馳走を作ってくれることになっている! 朝から買い出しや仕込みやらで張り切っていた。 そう思うと途端に腹が減ってくる。

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