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第152話

「ば、ばあちゃん?俺の時にはなかったよ?ローストビーフなんて」 「だって今日は霧緒くんのお誕生日でしょう?もう奮発しちゃった!」 ばあちゃんは嬉しそうにお皿に取り分けてくれるけど、本当気合入った晩御飯で俺ちょっと霧緒に嫉妬中。 俺の誕生日の時はこんなに豪華じゃなかったぞっ! 「もうね、考えたらワクワクしちゃってお買い出し楽しかったわー!霧緒くんのお誕生日会できるなんて思ってもなかったから!霧緒くんいっぱい食べてね!」 和洋中気合の入った料理がテーブルいっぱいに並んでいて、さすがの霧緒も恐縮している感じだった。 皆でお茶で乾杯した。 「なんかすみません。こんなに凄い料理作ってもらえるなんて…本当嬉しいです」 「わ!肉うまっ!!柔らかっ!ばあちゃん天才!!」 「あら良かったわー!久しぶりに作ったからどうかと思ったけど」 「凄く美味しいです。おかわりお願いします」 「良かったー!霧緒くんエビチリも美味しいから食べて!」 ばあちゃんの本気を見せられた感じだったけど、本当霧緒もばあちゃんも嬉しそうだったから良かった。 自分の誕生日ってお祝いしてもらえるとやっぱり嬉しいよね。 食べきれない分はタッパーに入れてお持ち帰りだ。 「じゃ、隣行ってくるからー!」 「ご迷惑かけちゃ駄目よ。霧緒くんいつも詩がお邪魔してごめんなさいね。邪魔だったら追い出してやって構わないから」 「はい、今のところ大丈夫なんで…今日は有難うございました。ご馳走様でした」 「いえいえ!またいらっしゃいね」 そう言って俺たちは隣の霧緒の家に向かった。 「詩、その荷物何……」 「もちろん霧緒の誕生日プレゼントに決まってるだろ!」 宮ノ内家に着いたらすぐ渡そうと思ってたんだけど、それよりもキスが欲しかったらしく。 玄関に入ったらすぐにキスされた。 「………ん」 唇を味わう軽いキスが名残惜しい感じで終わってしまう。 首筋まで這っていた霧緒の唇が離れる。 高鳴る気持ちをおさえつつリビングへ…… だってさー誕生日だしさ……エッチなことは必ずするよね。 …うん。 そう思ったら霧緒の唇が数倍エロく見えてしまい、もう本当俺もエッチなやつー!って思う。 俺ってこんなにエロい妄想する男子だっけ? 本当に霧緒のエロが移ったのかもしれない。 ま、まぁそれは置いといて、 「はい!」 「はい、有難うございます」 「改めまして、霧緒くんお誕生日おめでとうございます。俺からのプレゼントですどうぞ」 「どうも有難うございます。開けていい?」 「ん!開けてやってください」 「大きいな…」 「はい!頑張りました!」 ショップのショルダーバッグに入れてそのまま渡した。 茶色の箱の茶色のリボンをほどきカサリと薄紙から品物を取り出す。 「んぁ…雪駄?あ…」 「メインはそっちね」 「!これ…浴衣か!」 「そう!」 箱の中から取り出したのは渋い色合いの浴衣だった。

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