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第154話*
霧緒
ナイス汐里!
と思いつつ詩の為に選んだのかよって思うと本当面白くもなく…
しかしこれを使わないで捨てるのも正直惜しい。
中に入っていたのは、不思議の国のあの子が着ている水色と白のフリフリの服だ。
薄くて白いニーハイソックスと、頭につけるリボン。
それと以前、詩につけさせたウィッグが入っていた。
何故これを汐里が送ってきたのかサッパリわからないけど、そもそも俺たちマンネリ化なんかしてねぇよバーカ。
「こ、これ…そ、園田さんが送ってきたのか??」
「そう。国際便で送られてきた。詩の為にっぽいよ」
「な、なななんで…」
「知らない。この間使ったウィッグも実はこれと一緒に入ってたんだよね。一足先に使わせてもらったけど」
フリフリぴらぴらしたフリルをつまみながら詩が混乱している様子が見て取れる。
「折角だから詩着てみて?これ届いた時から俺凄い楽しみにしちゃってたんだよね」
「へ」
「汐里ってムカつくやつだけど結構俺たちの事色々心配して考えてくれてるんのかもしれないって思ったらさーこれ捨てるのも申し訳なく思ってきて…詩がどうしてもどうしても!着たくないって言うんだったら仕方ないから捨てるけど…どうする?」
飛び切りの笑顔をしながら囁いてみたら顔をひくひく引きつらせる詩がいた。
まだ理性を引きずり葛藤しているようだ。
「え、えーーーっと」
「俺こんなに楽しい誕生日って初めてかもしれない。あと数時間で日にちが変わってしまうし…もう少しでいいから詩と特別な時間を過ごさせて欲しい…この意味…わかる?」
「…う、うん」
ソファに座る詩を抱き寄せ抱きしめる。
そのままでいると鼓動が伝わってきて何とも言えない愛おしい気持ちになる。
ぷるぷる震えるこいつ可愛い。
「わ、わかった…よ」
「…」
「今日…だけだから…な」
「…」
恥ずかしそうに詩は観念しそう呟いた。
すっげー顔真っ赤…
やった!!詩落ちたー!優しい可愛い!俺の心のニヤニヤがとまらないっ!
確信犯ですから!
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