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第156話
「変な趣味に目覚めそうだな」
じぃっと鏡を見つめながら霧緒は呟くけど、もう目覚めてんだろ!って心のなかで突っ込んでおいた。
後ろから抱きしめられると、首筋にかかる吐息がくすぐったい。
「本当、ありがとう詩。マジ楽しい1日だった」
「うん……俺も」
抱きしめていた手が、肩から腰尻を撫でてくる。
「!」
そう思ったら身体がふぃっと浮き、霧緒に抱っこされていた。
「ちょっと!」
「はいはい、もう我慢できん」
そのままソファーに連れて行かれ、俺に覆い被さってくる。
霧緒の熱視線につられて鼓動が速くなっていくのがわかった。
乱暴に唇が重なる。角度を変え、唇の弾力を味わう……
舌で舐めあげられ、それが口内に侵入してくると全身がぞくりと反応してしまう。
甘い……すぐに唾液を絡めた濃厚なキスに変わると、もう何も考えられなくなる。
すると、何かが口の中に入ってきて、喉の奥に消えていった。
「ん……ぁあ?……あれ?本当に甘い?」
「飴……あま……」
「今の飴?……ごっくんしちゃった」
「そう……イチゴ味だって」
キスがもっと欲しくて、霧緒を両腕で抱きしめ催促すれば、更に深みは増していく。
くちゅ……唾液が顎を伝う。
甘い……
唇が名残惜しく離れると、あぁもっと欲しくなるもっと……もっと……
「……そんな……エロい顔するようになっちゃって」
「はぁ……だ、誰のせいだよ」
「俺か」
「他に誰かいる……?」
「…………………他にいたら、殺したいな」
吐き捨てるように言い放った。
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