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第160話

次の日。 「……って、思い返してみてもエロエロな一夜だったな。俺も歯止めがきかなくてごめんな」 …… ベッドに何とか座り、霧緒から受け取ったスポーツドリンクをゴクゴク飲んでいる。 スゲー泣いたし、汗掻きすぎて全身干からびている。 俺を包み込むように後ろから抱きしめる霧緒は、肩に顎をのせ昨日のエッチ話に花を咲かせていた。 霧緒もあの飴?のことを知らなかった訳で、霧緒も少し舐めてたから、後半はギラギラした獣からへたれ犬になってしまい、疲れて余裕はなかったみたいだ。 お、俺はひたすらあんあんと、おねだりするばかりで……うあああああ……あんなこと……も、もうお嫁に行けない。ごめんばあちゃん。 「……まさかあんなことになるなんて。恥ずかしい……俺……スゲーやらしくてひいた?」 「なんでそんな心配?詩にやらしいことして、あんあん言わせた俺のことを嫌いになったり幻滅した?」 「え、あ…ぜ、ぜ、全然……」 「だろ?ならないよ。むしろ……嬉しい……」 首筋にキスをするのをやめない。 「詩昨日……俺のモノって言ってくれたじゃん?あれ、スゲーきた」 「しょ、しょうがないだろ。そう……なんだから」 「……」 「霧緒は俺の……エロい霧緒も!全部俺の!あっ!う!」 痛みが走ったと思ったら、霧緒が俺の肩にかぶりついていた。 「……全部……詩にやる」 な、なんつーことを言うんだこいつは!そんな殺し文句…… 身体をずらして霧緒の顔をみつめた。 相変わらず整った顔で、下睫毛が長く色っぽい。 この顔は俺の反応を見て楽しんでいるのがわかる。 ちょっと……ムカツク…… 「じゃ、俺の事欲しい?」 逆に聞き返してやった。 「欲しい」 「はやっ!」 「心も身体も欲しい。詩のことまるごと欲しいよ」 顎に手が触れ、親指で下唇をなぞる。 瞳がとても切なげで、聞き返すのやめればよかったー!って思うくらい甘い雰囲気が漂う。 あうあう……霧緒の色気に思わず生唾ごっくんしちゃったよ。 唇と唇があと少しで触れるの距離。 あんなにエッチしたのに、ドキドキがとまらない。 「だ、大丈夫あげる!つか結構前からあげてるからっ!安心してくださいっ!」 「……その言い方。雰囲気ぶち壊し……」 「あ、ごめん……」 「ま、詩らしくていいけど。キスしていい?」 「……わざわざ聞くなよ。ど、どうぞ」 チュっと緩いリップ音。 霧緒の肩に腕を回して抱きしめると、俺の腰に手が回り、二人の間にあった隙間がうまる。 甘すぎるキスにヤバいくらいときめく俺がいる。 優しいキスは心をあったかく満たしてくれた。 あぁ……もう大好きー! ******** 国際電話。 『え、何……写メは?』 「ない」 『詩くんあれ着たんでしょっ?』 「着た」 『か、可愛かったでしょう?!!』 「ちょーーーーーーう可愛かった」 『わーーー!!!!だろだろ!!?詩くんに絶対似合うと思ったんだよー!水色と白の柔らかい感じが詩くんにピッタリだなーって思ってさ!恥じらいながらも着てくれそうじゃん?写メ送って送って!!!撮ったんだろ?』 「もちろん撮った。でも見せねー」 正直めっちゃ可愛くて自慢したいけど、エロ過ぎて絶対無理だし。もったいない。 大人げなくギャーギャー騒いでる汐里。 これが優秀な営業マンとは思えない。 母さん早く別れないかな。 『あ、そういえばあの薬使ったー?』 ニヤニヤしているのがよくわかる。 「……あれ何?怪しすぎるんだけど」 『あれはインド人もびっくりの媚薬だよ。説明書き入れてなかったっけ?一粒飲めば感度Maxになれるよ。今度使ってみて!』 怪しい薬を平気で進めるこのおっさん。 マジ別れないかな…… でもそのおかげで楽しい時間が過ごせたことは確かだけど。 あと一粒残ってるし、いつ使おうかな~なんて考える。 「ま、とりあえず報告がてら連絡しただけだから。詩が母さんと汐里によろしくだってさ」 『詩くんー!送ってぇ』 「ヤダって!じゃ」 おっさんがしくしくと泣いてたけど、一方的に通話を切った。 ****** *次回から屋内くんと菊池先輩の話を上げていきます。良かったら読んでやって下さいね。 どうぞよろしくお願いします。

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