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第166話
玲二
「スゲー、人の部屋みたいに綺麗」
…
なんだよそこまで言うかよ。
「樹海というよりブタ小屋みたいだったからな」
!!!!
菊池先輩の発言がパンチが効いてて、殴られたような衝撃だ!
「あ、すまん。つい本音が」
笑いながらくしゃくしゃと僕の髪を撫で、頭をポンポンする。
「先輩……ひどい……」
「片付け苦手なのはわかるけどな。あそこまで酷いと次から怒るからね?」
「う……」
「わー!兄ちゃん、早く菊っちと一緒になった方がいいよ。身の回りの世話してくれそうじゃん!兄ちゃん身の回りのこと何もできないからさ」
「なななな!何を言ってんだ類!」
「あ、その手があったか…」
おかしな話をする二人の会話についていけない。何で先輩と類で盛り上がってんだよ!
「あー俺また出かけるからイチャイチャするならその時ゆっくりしてよ!じゃあね」
そう言うと類は自分の部屋へと消えて行った。
「あいつ、意外とわかる奴だな。前は結構警戒されてた気がしたけど」
「先輩のこと気に入ってるからだよ。あいつ気に入った人にはなつくから……」
「へー気に入ってくれたんだ。そりゃ嬉しいね」
嬉しそうに笑う先輩がなんか嫌で面白くない。類に気に入られて嬉しいんだ……
「……」
ポンポン
?
「拗ねないの」
「え」
「口が尖ってるよ。嬉しいけどさ」
ムニっと唇を指先で触られてしまった。
ああ、僕今類に嫉妬したんだ。
弟相手に変なの。
でもそれだけ菊池先輩の事が好きな訳で……面白くなかった。ついつい先輩に抱き着いてしまう。
「やっぱり僕って、先輩の事好き…」
「やっぱりって何。まぁ……いいけどね」
先輩の背中は俺よりも大きくてしっかりしている。
大きな背中の筋肉とか背骨を回した手でなぞりながらそう思う。男として羨ましい…
「……屋内さんその手つきさ、今はやめて。俺結構我慢してるから」
「?」
「背中そんなに触られると感じちゃうでしょ?弟くんがいるとこで襲いたくないから」
「!!あ、ごめんなさい!」
「まったくもう、今度俺ん家おいで?そっちのほうが静かだわ」
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